おうち時間で美しく整える【第6回】ストレートネックでブスになる？ 専門家に聞く首と肩を楽にして美しくなる方法≪佐々木彦也≫

「スマホ首」とも呼ばれる現代病「ストレートネック」。首の湾曲部分が真っ直ぐになると、人体にどのような悪影響が出るのでしょうか？ 第一線で活躍している芸能人やモデルが、美容と心身のメンテナンスに通う話題の鍼灸整体院「美整堂」の副院長・佐々木彦也先生に、ストレートネックが抱える問題点とその改善方法について、お話を伺いました。

ストレートネックになると首が短く見えて二重顎に

ストレートネックになると男女問わず顎が前に突き出た結果、猫背になり鳩尾が引っ込んで、ぽっこりと下腹が出ます。意識して背筋を立たせたところで、顎が前に出ている状態ですから、見た目に美しくありません。
耳の後ろから鎖骨に伸びる胸鎖乳突筋と、首の横から肋骨まで繋がっている斜角筋という筋肉があります。ストレートネックの方は、そこが短く縮んでかたくなり、首が短くなっています。これらの筋肉は顔の筋膜群にも繋がっているので、顔全体が下に引っ張られ、ほうれい線など顔の弛みの原因にもなります。顎の下のお肉が潰れて、二重顎に見えてしまうなど、美容面でいいことは何もありません。
更に、悪い姿勢を放置していると、どんどん首まわりの筋肉のかたさが増していき、神経が圧迫されて、痛みに変わっていきます。首周辺の筋肉がかたさを増すと、やがて肩や背中、酷ければ頭まで痛みが伴ってくるでしょう。美容面はもちろん、健康面においてもストレートネックは予防と治療が必要です。

ストレートネックの原因は長時間の下向きの姿勢

ストレートネックになる原因として考えられるのは、同じ姿勢での長時間のスマートフォン操作です。大体、15〜30度の角度で下を向いていると思います。ヒトの頭は身体に比べると大変重く、成人であれば体重の10％程度の重さがあるといわれています。大体5〜６kgです。ストレートネックの方が下を向き、同じ姿勢でスマートフォンを見続けている場合、首の根元の骨に15㎏程度の負荷がかかることになります。長時間の読書やパソコン、ポータブルゲーム機の使用も同様です。

大切なのは整形外科で診察を受けること

ストレートネックだと思ったら、背骨のカーブの異常が原因だったという方もいらっしゃいます。背骨が原因の方は、正しい骨の形に正すためのトリートメントが必要です。また、痛みがある方は、まず整形外科でレントゲンやMRIを撮るなどの検査をしてもらい、原因がストレートネックなのかどうかを診断してもらうことが最も大切です。セルフケアやトレーニングは、診察の後、医師の許可を得て行いましょう。

丁度いい高さの枕でストレートネック予防

高い枕を使っている方は、ストレートネックになり易いといえます。自分の枕が高いかどうかを判別する方法は、横になって枕に頭を乗せた状態を、写真に撮ってみることです。普通に座っている時以上に、自分の首にシワが寄っている場合は、その枕は高すぎるということになります。写真を撮るのが難しければ、枕に頭を乗せて横になった時に、耳と肩の高さがほぼ平行になっている状態が、首の骨に負担がかかりづらい姿勢だということを意識してください。

自分で出来るストレッチを習慣に

ストレートネックの方は耳のあたりから鎖骨まで伸びている胸鎖乳突筋と斜角筋がかたく短くなっているので、鎖骨を押さえて、上を向くストレッチをするといいでしょう。男女問わずすっきりとした顔つきを維持したいと思ったら、生活習慣を正して、ストレートネックを予防していきましょう。いいことがたくさんあるはずです。