おうち時間で美しく整える【第4回】顔のマッサージや表情筋トレーニングは逆効果？ 正しい表情筋の鍛え方と耳回し美容法≪佐々木彦也≫

マッサージや表情筋トレーニングなど、エイジングケアや小顔になるための美容法が様々あります。実際のところ、効果はあるのでしょうか？ かえってシミや弛みを悪化させることはないのでしょうか？ 第一線で活躍している芸能人やモデルが、美容と心身のメンテナンスに通う話題の鍼灸整体院「美整堂」の副院長・佐々木彦也先生にお話を伺いました。

自己流表情筋トレーニングはかえってシワを増やす可能性が

バストやヒップの筋トレと同様、表情の筋肉のトレーニングをすることで、顔の弛みやシワを予防しようというのが表情筋トレーニングです。しかし、私は、自己流の表情筋トレーニングはお勧めしません。

美容整形外科ではボトックスというボツリヌス菌から抽出された蛋白質を注射して、表情筋を麻痺させ、筋肉か過剰に動かないようにすることで、シワを予防します。しかし、表情筋トレーニングはその名の通り積極的に表情筋を動かすトレーニングで、ボトックス治療とは真逆のことを行います。正しく表情筋だけを動かすことが出来れば、血行がよくなったり、表皮がリフトアップしたり、よい作用があるでしょう。

しかし、素人がつけ焼刃でトレーニングを行うと、筋肉の上にある表皮に、表情ジワが癖づいてしまう可能性があります。表情筋に疲れを感じる程の動きをすると、必ずどこかにシワが寄るはず。シワを手で引っ張って伸ばす補助を行えば、皮膚への摩擦刺激になってしまいます。

表情筋トレーニングをするならEMS美顔器の使用をお勧め

筋肉に微弱な電気の刺激を与えて、筋肉を動かすEMSを使用した美顔器であれば、表皮にシワを作ることなく、筋肉に直接働きかけることが出来ます。実際に使用してみると、本当に顔がすっきりするのを感じていただけるでしょう。アイマスク型やフェイスマスク型、スティック型など様々な商品が発売されています。こういった商品を活用してみるのもいいでしょう。

痛みを感じるような強いマッサージは逆効果

骨まで刺激を感じる強いマッサージは、皮膚や筋肉に揉み返しのような炎症状態を引き起こします。炎症が起きれば、怪我と同様、その部位に血液が集まり、修復が行われるので、元の状態より明らかに分厚くなるはずです。施術を受けた方は、張りが出たとか、法令線がなくなったなどと、よい印象を抱くのかもしれませんが、それは腫れているだけであって一時的な現象です。皮膚に炎症が起きると、メラニンも発生してシミに。炎症で肌がかたくなってしまう危険性もあります。皮膚を引っ張れば当然伸びて、それが弛みの原因にもなるでしょう。

耳のまわりをマッサージしてマスクで疲れた筋肉を開放

顔や首の周囲のリンパ節を温め、優しくほぐしてあげると、顔の印象はとても美しく変わります。しかし、皆さんが日常的に顔の表面を自己流で触ることはお勧めしません。最近は「顔の皮膚への刺激はシミ・シワ・弛み・肝斑の原因」というのが美容皮膚科の先生方の間では常識とされている程。それだけ顔の皮膚は繊細なのです。マッサージをする際はクリームを塗って、摩擦を少なくし、優しく肌に触れるようにするなど、細心の配慮が必要です。

ご自身で出来るケアで美しくなれる──そんなとっておきの方法が耳揉みマッサージです。コロナ禍で一日中マスクを着けているのが当たり前の生活が続いています。耳の近くの筋肉は毎日マスクで下に下にと引っ張られるように締め付けられている状態。これでは否応なしに頭皮から顔全体までが下がってしまいます。

ご自宅に帰ったら、両耳を上げる方向に優しく引っ張って、ゆっくりと回してあげてください。耳のまわり、首の周辺の筋肉が緩んで、とても顔のまわりがすっきりします。あくまで痛気持ちいい程度の優しさで行うことが大切です。お風呂に浸かってリラックスした状態で行ってみるといいでしょう。デスクワークで疲れた時の息抜きにもお試しください。