がんの名医に聞く「がん患者は、まずは免疫を落とさないことが重要 ~寒い季節に免疫を落とさないために心がけること~」

がんの名医に聞く「がん患者は、まずは免疫を落とさないことが重要 ~寒い季節に免疫を落とさないために心がけること~」


まだ寒いこの季節、健康な方でも体調の管理が難しい時期です。新横浜かとうクリニック(横浜市港北区)で数多くのがん患者さんの診療を行っている加藤洋一医師に、この季節の健康管理について指導していただきました。

がん患者は、まずは免疫を落とさないことが重要
~寒い季節に免疫を落とさないために心がけること~

湯船に浸かって、体温は36.5度以上に

 がんは免疫の病気です。寒い時期は体温も下がりがちですが、体温と免疫は相関関係にあり、免疫を上げるためには、何よりも体を冷やさない、体温を36.5度以上に保つことが重要になります。

 とはいえ、外に出れば、どうしても体が冷えます。最近は入浴をシャワーで済ませる方が多いようですが、少し温い風呂に15分以上は浸かって、体を心から温めるようにしましょう。

 湯船に浸かるのが苦手だったり、どうしても時間がなかったりする方は、足湯だけでも効果があります。42度くらいの少し熱めの湯に5分くらい足を浸してみてください。

免疫の働く夜は、質のよい睡眠を

 免疫を上げる際に、もうひとつ大切なのは生活のリズムです。私たちの体は自律神経によってコントロールされていますが、昼は交感神経、夜は副交感神経が優位になるのが、本来のリズムです。そして、夜、副交感神経を優位にして、心身をリラックスさせることで、免疫が上がっていくのです。

 夕方からはゆっくり風呂に浸かるなどして、体を温め、質のよい睡眠をとってください。また、エアコンのタイマーなどを利用して、睡眠中は暖房をオフにしてください。私たちの体は一旦上がった体温が下がる時に、スムーズに眠りに入れるようになっています。室温が高いままだと、かえって眠れなくなってしまうのです。

 入院中の方は、昼間が暇なので、たくさん睡眠を取ってしまい、夜、眠れなくなってしまうことがあります。適度な昼寝はいいのですが、30分程度にして、生活のリズムを崩さないことを心がけましょう。

免疫を落とさないために、適度な運動を

 寒い時期、治療中は体を動かすのが億劫かもしれませんが、適度な運動はしたほうがいいでしょう。昼間、交感神経が働く時間に、15~30分程度、軽く汗をかくくらいの運動をするのが理想的です。交感神経のスイッチをしっかり入れるから、夕方からは副交感神経に切り替わるのです。

 よくがん患者さんから「仕事を続けたほうがいいですか?」と尋ねられますが、無理のない範囲で続けられたほうがいいと思います。また、主婦の方は、家事はちょっとした運動になることを覚えておいてください。

 運動をしなくなると筋肉が落ちていきます。体温は筋肉を動かすこと、そして肝臓の代謝で上がりますから、運動を心がけ、筋肉量を維持することは、免疫を上げるためには不可欠なのです。

糖質はすぐにエネルギーになって、体温を上げる

 食事は体を温める料理を中心に。鍋物や汁物などがお勧めです。

 最近、糖質制限が話題になっていますが、がん患者さんが自己流で糖質制限をするのは疑問です。糖質はすぐにエネルギーになり、体温を上げてくれます。また、糖質はがん細胞のエネルギーになるといわれますが、糖尿病等でなければ血糖値は一定に保たれますし、糖質を制限すると、免疫細胞のエネルギーまで不足します。

風邪やインフルエンザには早めの対処を

 この時期には風邪やインフルエンザも心配です。抗がん剤治療をやっている患者さんは、白血球が減っていますから、すぐにインフルエンザ脳症などの危険な状態になりかねません。

 風邪もインフルエンザも、ならないことが一番ですが、社会で生活している限りは、感染源をゼロにすることは出来ません。家族が感染源になることもありますし、医療機関の待合室にも感染者はたくさんいます。

 熱が出るなど、何か怪しいなと思ったら、早めに医師の診断を受けてください。また、家族がインフルエンザに感染したら、タミフルは予防的な投与も可能です。

医療法人社団神樹会
新横浜かとうクリニック
院長 加藤洋一

平成20年、新横浜かとうクリニック院長。平成22年、医療法人社団神樹会理事長。平成23年、横浜市港北区港北医療センター理事・横浜市医師会代議員・神奈川県医師会代議員・横浜市外科医会学術担当理事・聖マリアンナ医科大学放射線講師。平成27年、一般社団法人横浜市港北区医師会副会長・港北医療センター副センター長。平成29年、横浜外科医会副会長。

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