
たるみに悩んでいる人はとても多く、年齢を重ねるにつれてそれぞれ皮膚・皮下組織・筋肉にはさまざまな変化が現れます。
皮膚ではコラーゲンが少なくなりハリが失われていきます。
皮下組織では脂肪が変形したり、しぼんでいくことによって弾力が失われていきます。
さらに、皮下脂肪を支えていたコラーゲン繊維がゆるんでしまいます。
筋肉は少しずつ衰えていき、皮膚や皮下組織をささえる力が弱くなっていきます。
これまでリフトアップの治療といえば糸でリフトアップするものや。余分な皮膚を切除する手術が主流でしたが、最近では切らないリフトアップとしてHIFUに注目が集まっています。
医療機関とエステのHIFUにはメリットやデメリットがあり、それぞれの特徴をきちんと理解したうえで医療機関とエステ、どちらで治療を受けた方がいいのか考える必要があります。
今回は医療機関とエステのHIFUの違いや効果とリスクについて説明をしていきます。
HIFUとは?どのような人に効果がある?
HIFUとは、切らないたるみ治療として注目されていて、たるみの改善やリフトアップを目的として行われる治療です。
HIFUは高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound)の頭文字を略したものです。
超音波を一点に集中させて、肌の表面には熱を与えずに、皮膚の下にある真皮とSMAS筋膜という位置に熱を与えることができます。
HIFUを行うとどのような原理でリフトアップできるのでしょうか?
HIFUを行ったあとは皮膚で2つの反応が起きます。
まず、施術をしてすぐにコラーゲンが収縮される反応があらわれます。
そして、HIFUを行った少し時間が経ってから、HIFUによってダメージを受けた肌が治癒しようという反応があらわれます。
傷が治ろうとする過程でコラーゲンの生成が促されて、コラーゲンが増生し、お肌に張りが生まれることでリフトアップ効果が得られます。
医療機関とエステのHIFUの違い
医療機関で行うHIFUとエステのHIFUにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
まずは医療機関で行われるHIFUについて説明していきます。
医療機関で行うHIFUのメリットは主に3つあります。
メリット1.副反応にすぐ対応できる
HIFUを行うことによって起こる可能性のある副反応には発赤・浮腫・熱傷・内出血・圧痛・痺れなどがあります。
そのような副反応が起きてしまった場合、医療機関であればすぐに対応することができます。
エステでHIFUを行って副反応が出た場合は、どこかの病院を自分で探して受診しなければなりません。
メリット2.効果が高い
最近、脱毛においてもエステではなく医療脱毛の方が効果が高いため医療脱毛に乗り換える人が増えています。
HIFUにおいても同じように、医療用の方が高い出力で施術を行うことができます。
そのため、エステよりも医療機関で行うHIFUの方が、効果が高いといわれています。
メリット3.麻酔を使用できる
HIFUは痛みを伴う施術です。とくに医療機関で行うHIFUは効果が高い分、痛みを伴う場合があります。
その痛みを少しでも軽減するために医療機関であれば麻酔を使用することができます。
麻酔を使用しても痛みをどの程度軽減できるかは個人差があります。
しかし、麻酔を使用することによって、痛みを少しでも軽減しながら、より高い出力でHIFUを行うことが可能となります。
医療機関で行うHIFUのデメリットは主に2つあります。
デメリット1.料金が高い
エステのHIFUよりも値段が高いといわれています。
少し前までは顔全体で20~40万円くらいが相場だといわれていましたが、近年は機械の種類も増え、美容クリニックの価格競争も激しくなってきているため、値段は少しずつ下がってきています。
デメリット2.痛みが強い場合がある
効果が高い分、痛みが強い場合があるといわれています。
そのため、痛みが苦手な人は医療機関のHIFUだと治療ができない場合や弱い出力でしかHIFUを当てられない場合もあります。
メリットにも記載したように麻酔を使用することで、痛みを軽減することもできますが、麻酔の効果にも個人差があります。
エステで行うHIFUのメリットは主に2つあります。
メリット1.値段が安い
医療用に比べて安価で、2~5万円で施術を受けることが可能です。
メリット2.痛みが軽くて済む場合が多い
そこまで高い出力を出すことができない分、医療機関で行うHIFUに比べて痛みは少ないです。
そのため、痛みが苦手な人はエステのHIFUから行ってみてもいいかもしれません。
エステで行うHIFUのデメリットは主に2つあります。
デメリット1.効果が弱い・持続しにくい
医療用に比べてパワーが弱い分、効果が出にくい・持続しにくいというデメリットがあります。
デメリット2.何かあったら自分で対処しなければならない
医療機関であれば、副反応が出た場合、薬を処方するなど必要な処置を行うことができますが、エステだとそのような対処ができないので、自分で医療機関を受診する必要があります。
また、医療機関をエステで行うHIFUどちらにもいえることですが、HIFUは技術力や機械によって効果に差があります。
医療機関においても、医師が行うか、看護師が行うかによって料金が違うクリニックもあります。
また、医師や看護師であったとしても、美容にとても詳しい人・技術力がある人ばかりではないので、施術を行う人によって効果に多少のばらつきはあります。
エステのHIFUについて国民生活センターより注意喚起
2017年3月2日に独立行政法人国民生活センターより「エステサロン等でのHIFU機器による施術でトラブル発生!-熱傷や神経損傷を生じた事例も-」という内容の報告書が公表されています。
もちろん、副反応が起こるリスクは医療機関で行った場合にもエステで行った場合にもあります。
ですが、医療機関で使用されているHIFUは安全性が確立されているものが多いです。
もちろん機械にもよりますが、FDAという日本でいう厚生労働省のような機関の承認を受けている機械もあります。
エステに設置している機械は安全性について不明瞭なものが少なからずあるようです。
このことから、消費者へのアドバイスとして
・エステサロン等で皮下組織に熱作用を与える危害を及ぼすHIFUを受けてはいけません
・危害を受けてしまった場合には、すみやかに医師の診察を受けましょう
・美容施術を受ける際には広告をうのみにせず、自ら情報収集し、検討しましょう
・困ったときは消費生活センターなどに相談しましょう
といった内容が、報告書には挙げられています。
参考URL:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20170302_1.html
まとめ
この記事においてポイントは
・HIFUは、今注目のたるみの改善やリフトアップを目的として行われる施術
・エステと医療機関で行うHIFUには、予算や痛みの程度、効果、安全性において大きな差がある
・エステでのHIFU施術は安全性及びアフターケアの観点からおすすめしない
という点です。
国民生活センターのアドバイスにも書かれているように1番大切なことは自ら情報収集をし、検討するということです。
インターネットやSNSにはたくさんの情報があふれています。
口コミもさくらが書いていたり、良い口コミを書くように言われて書いている場合もあるのでどこまで信じていいかという判断はとても難しいです。
HIFUは切らないたるみ治療といわれていますが、火傷や副反応を起こした場合、適切な処置を行わないと傷跡ができてしまう可能性があります。
これらを考慮したうえで、情報を取捨選択し、しっかりと検討したうえで自分がきれいになるための施術を受けましょう。