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進行がんからの生還の鍵はセカンドオピニオン 3

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標準治療は進行がんに対しては延命しか行わない

保険診療で提供される標準治療は、科学的根拠と多くの検証に基づく信頼出来る治療です。
しかし、進行がんに対しては限界があり、現実的には完治よりも延命を目的とする治療になってしまいます。

がんが早期で原発部位や周辺のリンパ節に留まっている場合は、手術や放射線といった局所療法で完全に取ることが出来ます。
しかし、浸潤が進んだり、遠隔転移したりすると、がん細胞は全身に散らばっており、抗がん剤による全身治療が必要です。

抗がん剤は、がん細胞が盛んに分裂することに着目し、分裂中の細胞を傷害することで、がんを縮小させます。
しかし、再発や転移の原因となるがん幹細胞は、分裂の周期が長く、抗がん剤の攻撃から生き延びてしまうのです。

従って、進行がんに対しては基本的に抗がん剤を繰り返し、完治ではなくて延命を施すしかないのが、標準治療の現実です。

先端医療などで標準治療を補完して、進行がんを克服

がんが進行して、手術が不可能だとか、もう緩和ケアしか出来ないという患者さんはたくさんいらっしゃると思いますが、あくまでも標準治療のガイドラインに従った場合です。
自由診療も選択の範囲に加えれば、ステージ4や末期の患者さんでも完治や生還を目指してやれることはたくさんあります。
決して諦めることはありません。

がん細胞が全身に散らばっている場合、奏効率は最初に使うファーストラインの抗がん剤で3〜5割、セカンドラインで1〜3割といわれます。
ガイドラインではサードラインまで決まっていますが、生き残ったがん細胞には抗がん剤への耐性が出来て、奏効率はどんどん悪化していくのです。

全身に散らばったがん細胞を排除するには、遺伝子治療や免疫治療で標準治療を補完していく必要があります。
こうした治療は自由診療で行われています。
保険診療ではそれ以外の治療を勧めたり行ったり出来ませんから、こうした自由診療を希望される患者さんは、まずは先端医療などの自由診療に精通した医師に、セカンドオピニオンを求めることが必要です。

同じ標準治療でも医師によって違いが

保険診療の原則は均てん化された医療ですが、現実には医師や医療機関の優劣はあります。
多くの患者さんはがんと診断されたら、紹介された先で治療を受けますが、それがベストの環境とはいいきれないのです。
医師や医療機関のことを一番知っているのは医師です。
自分のがんを一番得意としている医師や医療機関を紹介してもらうのは、セカンドオピニオンの利用法のひとつです。

また、標準治療にはガイドラインが設けられていますが、それに沿って判断するのは医師です。
症状や体調、環境、リスクなどの要因で個々の医師の判断は変わってきます。
最初に診断してもらった医師に、手術は無理だとか、緩和ケアしか出来ないといわれても、別の医師の見解が異なるということは少なくありません。
諦めずにセカンドオピニオンを聞いてみましょう。

誌上セカンドオピニオン

2年前に乳房の違和感で地元(福岡県)の病院で検査を受けたところ、乳がんと診断されました。
大きさは21mm、リンパ節転移はなく、ホルモン受容体(-)、HER2(-)でステージ2Aの乳がんと診断されました。
治療方針は、まず手術を行い、その後は抗がん剤投与といわれましたが、どうしても抗がん剤は嫌だと伝えると、それなら手術も出来ないと、一切の治療を断られたのです。
他の医療機関でセカンド・オピニオンを求めても、同じ回答であり、治療を諦めて、代替医療を行うことにしました。

代替医療を行っても、徐々に乳房のしこりが大きくなってきて、最近では痛みまで出てきました。
痛みが気になるのと、これ以上大きくなるのが不安なので、手術はして欲しいのですが、やはり地元の病院では軒並み断られました。
東京は医療機関の選択肢がたくさんあるので、手術をしてくれる病院があるかもしれないと考えていますがどうなのでしょうか。

ガイドライン通りでなくても患者さんの意志を尊重して治療してくれる病院は必ずあります

通常、遠隔転移のない乳がんの治療は、局所治療である手術を行い、その後にホルモン剤や抗がん剤などの全身治療がセットで行われます(温存切除の場合は放射線を併用)。
この患者さんの場合、ホルモン剤や分子標的薬が効かないトリプルネガティブというタイプの乳がんなので、抗がん剤しか選択肢がありません。
ただ、手術後の抗がん剤を拒否したら、九州に限らず全国の殆どの医療機関で治療を断られると思います。

この患者さんは、痛みも出てきて、このまま放っておくと、がんが皮膚を突き破って出てくることが予想されます。
抗がん剤治療を受けるかどうかはともかくまずは現状を何とかするために手術が必要だと思うのですが、標準治療のガイドライン通りに治療出来なければ、手術は引き受けてもらえないという現実があります。
また、どこの病院で相談しても、手術をしてくれる病院は教えてくれませんし探してもくれません。
インターネットでは様々な情報が入手出来る時代になりましたが、そんな情報は得られません。

しかし、この患者さんは、私がある病院(保険診療を行う病院)を紹介したところ、すぐに手術日が決まりました。
2年間断られ続けて医療不信になりかけていた患者さんの悩みが、あっさりと解決してしまったのです。
ガイドライン通りでなくても患者さんの意志を尊重して治療してくれる病院は必ずあります。
しかし、保険診療を行っている医師や病院は、そのあたりの事情を全くといってよいほど知りません。
逆に自由診療を行っている医師のほうが詳しいことが多いです。
ガイドラインから外れる治療を希望するのであれば、自由診療を含め、幅広くがん治療を知っている医師に、意見を求めたほうがいいでしょう。

銀座みやこクリニック
院長 濱元誠栄
Dr.Seiei Hamamoto

各種遺伝子検査の結果や個々の患者の状態に応じて遺伝子治療を行う。遺伝子治療の他、元外科医の見地からセカンドオピニオンや、がん難民の方向けの相談も行っている(要予約)。2019年2月13日、フジテレビ系『とくダネ!』にがんコメンテーターとして出演。

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