がん難民にならない、そして完治を目指すために知っておくべきこと

がん難民にならない、そして完治を目指すために知っておくべきこと

日本人の3人に1人ががんで亡くなり、その数はなかなか減りません。医学は日進月歩しているにもかかわらず、なぜがんで亡くなる方は減らないのか、その背景や患者さんがとるべき対策について、銀座みやこクリニックの濱元誠栄医師にお話をうかがいました。

ステージ4や末期と宣告されても諦めなくていい

なぜ、がんで亡くなる方は減らないのでしょうか?

 保険診療における標準治療では手術や放射線による局所療法と抗がん剤による全身療法が行われます。もし、がんが原発巣とその周辺に留まっていれば、手術で切除したり、放射線でがん細胞を死滅させたりすることで、根治が期待出来ます。これが局所に留まらずに、がんが全身に広がってしまうと、根治の可能性は低くなります。全身療法では主に抗がん剤が用いられますが、一時的にがんを縮小させることは出来ても、がん細胞を完全に排除することは難しいです。

 がん治療で最も有効なのは、がんを早期に発見し、局所に留まっているうちに叩くことです。がんで亡くなる方が減らないのは、発見が遅くなって、有効な局所療法が出来ない場合が多いからです。

 また、局所のがんが完全に取れたと思っても、見えない取り残しがあったり、既に目に見えない大きさでの転移があったりします。その場合、再発や転移に備えて、全身療法が行われますが、やはり根治の可能性は低くなってしまいます。

ステージ4や末期のがんと宣告されたら、根治は無理なのでしょうか?

 ステージ4と診断されても、決して諦める必要はありません。標準治療では抗がん剤しか治療手段はありませんが、劇的に効くことがあります。また、抗がん剤が効きづらく残ってしまったがんに、局所療法を追加することで、根治に繋がることがあります。また、抗がん剤単独では劇的な効果を出す可能性が低いので、自由診療で行われる遺伝子治療や免疫治療を組み合わせる方法もあります。

 末期でもう積極的な治療が出来ない場合には、通常は緩和ケアが勧められますが、それは標準治療のガイドラインに則った場合です。ガイドラインは診断・治療の適切な進め方の指針であり、医師と患者さんが治療方針を決める上での参考に過ぎません。末期といっても患者さんひとりひとり状況も希望も異なります。ガイドラインにない手術や放射線、抗がん剤などの治療を行うこともあれば、自由診療で行う治療を選択肢に加えることも出来ます。諦める必要はありません。出来る治療を探すのも、方法のひとつです。

もう積極的な治療が出来なくなってがん難民になるのが心配です。

 高機能病院といわれる大きな病院では、ガイドラインに則った治療が終了すると、緩和ケアの出来るところへ転院を勧められます。治療目的の患者さんの診療で手一杯だからです。末期でも元気で治療を諦めきれない患者さんは、ガイドライン外の治療の出来る医療機関を探すことになりますが、見つからなければ主治医不在でがん難民になってしまいます。

 また、ガイドライン外の治療を行った患者さんに対して、主治医が以後の診療に応じてくれなくなることがあります。医師、主治医との関係が円滑でなかったり、治療方針に納得出来なかったりして、セカンドオピニオンを求めただけで、一方的に転院を勧める医師がいるのも事実です。

 がん難民にならないためには場合によっては納得出来なくても主治医の治療方針に従う必要が出てきます。しかし、これでは患者さんの意思は完全に置き去りです。患者さんの意思を尊重して寄り添い、時には繋ぎ役となってくれる医師がどんどん出てくることを期待するしかありません。

ガイドラインに則った標準治療が絶対ではないのですね?

 ガイドラインに則った標準治療は、最もエビデンスがあり、より多くの患者さんに有効であることは間違いありません。また、多くの患者さんを診療する上では、医師にとっても能率的に診察を行うことが出来ます。

 しかし、早期がんなら患者さんの個人差も少なく、ガイドライン通りでも問題はありませんが、進行がん、特に末期になると患者さんの個人差が大きくなってきます。ガイドラインに無理に当て嵌めるよりは、ガイドラインは参考程度にして、ガイドライン外の治療や自由診療で行われる遺伝子治療などを選択するほうが有効な場合があります。もう積極的な治療は出来ないと、医師から見放された患者さんが、こうした治療でよい方向に向かい、長期生存したりQOLが高まったりした例もあります。

遺伝子でがんを征圧出来る可能性はあるのでしょうか?

 がんは遺伝子の異常で起こる病気であり、その原因に働きかけるのが遺伝子治療です。異常な細胞のみに作用し、正常な細胞には影響を与えないので、抗がん剤のような副作用は殆どありません。標準治療との併用においてもデメリットはありません。

■手術との併用
 手術の後に遺伝子治療を行うことで、散らばったがん細胞を死滅させ、転移や再発を防ぎます。また、手術の前に行うことで、範囲を縮小することに繋がります。

■放射線との併用
 放射線と併用して、遺伝子治療を行うことで、照射で死滅させ切れなかったがん細胞を消滅させ、再発や転移の芽を摘むことが出来ます。放射線でDNAが傷害されたがん細胞は、アポトーシス(細胞死)に導くがん抑制遺伝子が働きやすくなるので、相性がよい組み合わせだといえます。

■抗がん剤との併用
 アポトーシスに関わるp53遺伝子は、細胞傷害型の抗がん剤との併用で、異常な細胞増殖を防ぐPTEN遺伝子は、増殖抑制型の抗がん剤との併用で相乗効果が期待出来ます。これによって抗がん剤の量が減って、副作用が緩和されたり、使用出来る期間が長くなったりする効果もあります。

銀座みやこクリニック
院長 濱元誠栄
Dr.Seiei Hamamoto

各種遺伝子検査の結果や個々の患者の状態に応じて遺伝子治療を行う。遺伝子治療の他、元外科医の見地からセカンドオピニオンや、がん難民の方向けの相談も行っている(要予約)。2019年2月13日、フジテレビ系『とくダネ!』にがんコメンテーターとして出演。

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