人に聞けない女性の悩み「多汗」と「ワキガ」のにおい対策
「人より汗が多い」「ワキのにおいが気になる」
「洋服の黄ばみ、シミが目立つ」
なかなか人には相談できない、ワキの汗とにおいの悩みを抱えていませんか?
朝の通勤時の電車内、学校の教室または会社の中で、人前に出るタイミングでの汗やにおいはとても気になるものです。
実は、正しいケアや対策を取れば、汗の量やにおいを抑えることが可能です。効果的なケア方法と汗やにおいを抑える食品、服装選び、さらには美容外科による手術や処置の種類を紹介します。
ぜひ試してみてください。
多汗とワキガの原因とにおい対策
どうしてにおいが起こるの?
汗を出すための汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺の2種類が存在しています。緊張した時や温熱刺激などで発汗する作用のあるのがエクリン腺です。エクリン腺が全身に分布している一方、アポクリン腺はワキと外陰部など特定の場所に散在しています。
においの原因となるのはアポクリン腺で、汗に含まれる脂肪が皮膚の細菌に分解されることで、においを発生させています。ワキガの人はこのアポクリン腺の分泌が多いと言われています。
ワキガと体臭の違い
においの原因となるアポクリン腺の大きさや分泌量は人によって個人差があります。ワキガといわれるツーンとしたにおいは、アポクリン腺からの汗により発生します。
そもそもワキガの判断基準は、本人が気にしているかどうかによって認められるものです。病気として確立されているわけでなく、体質によるものと言えます。
自分がワキガ体質であるかどうか確かめる方法を紹介します。
耳垢が湿っているかどうか
耳垢にはカサカサしたタイプと湿ったタイプがいます。ワキガの原因とされるアポクリン腺はワキの下以外に、耳の中にも存在しています。アポクリン腺が活発である方は、耳の中が常に湿った状態であるため、耳垢が湿っていることがチェックポイントとなります。
服が黄ばむほどシミができていないか
発汗した時、汗染みが黄色く残ってしまう方はワキガ体質の可能性があります。アポクリン腺から排出される汗に含まれる脂肪やたんぱく質、色素が黄ばみの原因と言われています。
ワキは身体の中でも非常に多く発汗する場所であり、アポクリン腺の分泌が多い方はワキガ体質になりやすいのです。
汗が出るのは病気?
多汗には全身に汗が増加するタイプと、身体の一部から局所的に汗が増加するタイプがあります。局所的に増加するタイプの場合は手のひら、足の裏、ワキから過剰な量の汗が吹き出します。
原因のわからない場合もありますが、中には神経障害や代謝異常に合併した症状として多汗症を発症している場合があります。
生活に支障が出るレベルの症状が続いている時には、病気が潜んでいることがあるので、皮膚科受診をお勧めします。
こんな人は要注意!多汗やワキガを悪化させている原因
普段の生活習慣が多汗やワキガを悪化させてしまっている場合があります。さらに、汗を抑えようとして無意識にやってしまっている行動はありませんか?
例えば以下に当てはまる方は、多汗やワキガを悪化させてしまう原因となっています。
- 汗を拭き取る時にゴシゴシ擦る
- 刺激の強い食品を好む
- アルコールの摂取量が多い
- 脇毛の量が多い
- 吸水性の悪い服を着ている
汗を拭き取る時にゴシゴシ擦る
汗を拭き取り、清潔を保つことはとても重要です。しかし、ニオイを綺麗に拭き取りたいがためとはいえ、ワキをゴシゴシと擦ってしまうと逆効果です。
自分の汗を蒸発させる時の気化熱によって体温を下げる機能があるのに、完全に汗を拭き取ってしまうと体温調節機能が上手く働かない可能性があります。
水分を控える
汗をかくことを避けるため、水分摂取を控えるのも逆効果です。身体が脱水になると便秘になりやすく、腸内環境が悪くなります。腸内の不要なにおい成分を排出できなくなり、結果として汗のにおいを強くしてしまうからです。
刺激の強い食品
刺激の強い食品を好んで食べる方は、皮脂の分泌量が増えてしまいます。
アルコールの摂取量が多い
お酒を飲むと体温が上がり、血管が拡張することによって発汗が促されます。さらにアルコールが肝臓で分解されると、アセトアルデヒドという刺激のある物質を生成します。この物質が汗と混ざって排出されるため、ワキのにおいを助長させる要因となります。
脇毛の量が多い
脇毛の量が多く、特に処理をしていない方は要注意です。ワキの下は適度な温度や湿度を保つ場所であり、皮膚の常在菌の温床となりかねないからです。脇毛の処理は菌の繁殖を抑えることに有効です。
吸水性の悪い服を着ている
ポリエステルのような素材は吸水性が悪く、蒸れやすいためワキガ体質の方には不向きです。菌の繁殖を増強させてしまうため、化学繊維ではなく天然素材がお勧めです。
汗・においを抑える対策
デオドラント製剤
デオドラント製剤は菌の繁殖を防ぎ、においを抑える効果が期待されます。種類はシート、スティックタイプ、クリームなどタイプは形態は様々です。
同じジャンルとして、スプレーでお馴染みの制汗剤もあります。制汗剤は一度に広範囲にケアすることができ、一時的に汗を抑えることで爽快感を得られる効果があります。ただし、効果としては持続性が少ないため、効果としてはあまり高くはありません。
汗拭きシート
一番手軽ですぐに取り入れやすい方法は、汗拭きシートを常備することです。汗を感じたら、なるべく小まめに汗を拭き取って、菌の異常繁殖を予防するのが効果的です。メリットとしては使い捨てのため衛生的であること、さらに肌への負担が少ないことが挙げられます。
先ほど説明したように、あまりゴシゴシと擦るのは逆効果です。肌を刺激しすぎないよう優しくサッと拭き取る程度で大丈夫です。
スティックタイプ、ロールオンタイプ
手を汚すことなく、ワキに直接塗ることができるのが特徴で、最近とても人気のあるタイプです。シートは一日に何度も拭き直しが必要になりますが、こちらのタイプは朝に一回塗布すれば、一日中効果が感じられたと言う方もいます。
クリームタイプ
ハンドクリームのような油分の多いものやジェルのようなタイプもあります。保湿成分が含まれており、直接肌に塗り込むスティックタイプよりは肌への負担が軽いのが特徴です。
食生活の改善
アポクリン腺から分泌される汗には、脂質やたんぱく質を含んでいます。においを発生させる脂質やたんぱく質を多く含む食品や刺激の強い食品を控えると、においを抑えることができます。
脂肪の多い食品を控える
肉や油物といった高カロリー、高脂肪の食品ばかり摂取していると、脂肪がつきやすくなります。この脂肪がアポクリン腺の活動を促すことによって、ワキガを誘発する原因となるのです。
刺激の強い食品を控える
アポクリン腺の分泌を増強させる要因となるため、刺激の強い食品は控えた方がよいです。積極的に摂取した方がよいのは、豆腐、納豆、もやしなどのイソフラボンを含んだ食品です。
ニオイを残さない
毎日清潔に気をつけていても、衣類ににおいが残っていては意味がありません。特に黄ばみがある場合は漂白をして、日々の汚れ、においを蓄積させないことが重要です。
お勧めするのは酸素系漂白剤の使用です。塩素系よりも安全性が高く、適温でつけ置きするだけで、におい・黄ばみ共にしっかりと漂白されます。
脱毛
ワキの毛を処理することが細菌の繁殖を防ぐことに効果的です。カミソリなど自分で処理をすると、毛根を傷つけ細菌が入ってしまうこともあるので、医療機器を使用した脱毛がお勧めです。
服装は天然素材
コットンや麻などの天然素材は吸水性・通気性がよいためお勧めです。肌に一番近い下着類にはコットン素材を選ぶようにすれば、服装のバリエーションに困りません。
美容外科による手術や処置
アポクリン腺除去
ワキの下を1、2箇所切開し、アポクリン腺を切除する方法です。保険適用になりますが、傷を伴うためリスクもあります。
ボトックス注射
アポクリン腺に対し、注射をして汗腺の分泌量を減らす治療方法です。
アポクリン腺除去手術やボトックスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
「多汗」と「ワキガ」のにおい対策|まとめ
多汗やワキガのにおいに対しては、適切なケアを行えば対策できます。
- デオドラント製剤を使用し、汗・においを発生させない
- 脂肪や刺激の多い食品を控え、イソフラボンを含む食品を多く摂取する
- 服ににおいや黄ばみを残さないよう処理する
- ワキの処理をし、細菌の繁殖を防ぐ
- 吸水性・通気性のよい天然素材の服を選ぶ
- 美容外科による手術や処置