ICL

現代社会はパソコンやスマートフォンが必需品であり、近視などの視力低下の増加、若年化が問題視されています。

視力補正にはメガネやコンタクトレンズ、レーシック等がありますが、ICL(眼内コンタクトレンズ)という視力矯正方法があるのをご存知でしょうか。

ICL(眼内コンタクトレンズ;Implantable Collamer Lens)とは、眼内にレンズを挿入することで近視、遠視、乱視を矯正することができる眼内コンタクトレンズの事です。日本では2010年に厚生労働省が承認しており、世界75カ国で広く行われています。

視力矯正方法と目のトラブル

一般的に、視力矯正の方法はメガネ、コンタクトレンズ、視力矯正手術(レーシック、ICL等)が挙げられます。

メガネは、眼球そのものへの負担が少なく、手入れが簡単なため手軽な視力矯正ですが、運動には適さないものが多い、度数が合わなくなる、物理的に掛け続けるのが耳や鼻にストレス、メガネそのものを無くしたり破損するリスクがあるなどのデメリットがあり、最近ではコンタクトレンズを使用する人が増えています。

コンタクトレンズは身近で手軽な視力矯正ですが、ドライアイの原因となったり、長時間の使用や付け方によって目への刺激になり、眼球やまぶたにトラブルを起こすことがしばしばあります。
また、トラブルが起きると暫くはコンタクトレンズが使用できずメガネを使用することになる、というデメリットもあります。

そこで今、注目されているのがレーシック手術などを含む視力矯正手術の中でもICL(眼内コンタクトレンズ)というものです。

ICLとレーシック手術の違いは?

視力矯正の手術といえば、レーシック手術を思い浮かべる人が多いと思いますが、同じ視力矯正とはいえどICLとは全く術式が違います。

レーシック手術は角膜の表面をレーザーで削り光の屈折率を変えることで視力を矯正する手術です。

対して、ICLはその人に合った特殊レンズを眼内に挿入する手術になります。

視力の程度や角膜の強度によってはレーシック手術が出来ない方も、ICLなら可能であることが多いです。
 
そしてレーシックとICLの一番大きな違いですが、もし手術を受けた後トラブル(過矯正、白内障、視力低下)があった場合、レーシック手術後だと角膜を削ってしまっているため完全に元には戻せません。

それに対しICLは薄いレンズを入れる足し算の治療であるため、取り除いて元の状態に戻す、又は入れ替える事ができます。
 ※白内障や角膜損傷のリスクが全くない訳ではありません。リスクについては後述。

ICLの手術方法について

ICL挿入の手術ができるのは、まず年齢が20〜50歳くらいの方です。

ピント合わせのための治療ですので、老眼は基本的に適応になりません。(対象年齢は病院の方針によっても多少の差があります)

また、全身疾患(重篤な糖尿病、膠原病)眼球の形状妊娠中の方も手術は適応外です。

麻酔は点眼麻酔といって目薬だけで、手術自体の所要時間は15〜20分ほど。

眼球の角膜に3mmほどの切開を行い、柔らかい特殊素材でできたレンズを虹彩と水晶体の間に挿入します。

麻酔するため痛みはほとんどない日帰り手術です。 

レンズは眼内の複雑な環境を維持するための特殊な穴があいている形状で、劣化や衝撃で割れる等の心配は無く、半永久的に使用できます。
もちろんメガネやコンタクトと違ってレンズ自体の手入れも不要です。

視力回復には個人差がありますが、術後数日から1週間ほどで良好となります。

気になる手術費用とその後は?


最も気になるのは、その費用

公的保険制度は利用できないので、全額自己負担となります。病院によって値段は異なりますが、相場は両目で50〜90万円程度かかります。

レーシック手術が15〜25万円位の相場であることを考えると、高額に感じてしまうかも。

手術当日

手術後ですが、まず終わった直後から、ある程度は視界はクリアに見えています。(全く見えないということはない)

数時間休んで裸眼のまま帰ることになりますが、当日は70%くらいの見え方で、一日経つと、90~100%くらいのクリアさになり、概ねデスクワークは可能となります。

角膜の傷口は縫合等もなく自然治癒します。

合併症について

手術後の合併症は、夜間や暗い中で光を見ると光がぼやけて見えたり、眩しく見えたりする(ハロー・グレア)ことがありますが、ほとんどの場合は数ヶ月程度で気にならなくなります。

また、ごく稀ですが合併症として白内障のリスクもゼロではありません。

乱視用のレンズが眼内で回転してしまうということも稀に起こりうるそうです。

ですが、白内障の治療やレンズの入れ替え、調整ができるため、稀な合併症でも適切な処置を施すことができます。

まとめ

ICLのメリット

・メガネやコンタクトレンズと違い、物理的な手入れが不要で常にクリアな視界を手に入れることができる。
災害などの緊急時には物理的視力矯正よりも安心できる
・角膜を削らないため、レンズが合わない等のトラブルが起こった際に取り出して元に戻すことができる(入れ替えも可能)。
ドライアイが起こりにくい

ICLのデメリット

・費用が高額
・手術前の検査の段階から、コンタクトレンズは使用できない。また、術前と術後暫くは医師から目薬の指示が細かくあるので時間やスケジュールを守る必要がある。
・術後1〜4日間ほど、できるだけ目を休める必要がある(病院による)。
・稀ではあるが合併症のリスクもある(ハロー・グレア、白内障、乱視であればレンズの回転等)

ICLは高額な治療ではありますが、手術後の生活や仕事での利便性、緊急時、災害時などもしもの事を考えると、『もっと早くやっておけばよかった』『やってよかった』という声が多い矯正手術です。

また、万が一トラブルが起きたとしてもレンズを取り出すことができるというところが安心ですね。

メガネやコンタクトレンズを使用する生活に疲れている人や、いざという時に裸眼だと困る!と感じていらっしゃる方、裸眼でスポーツを楽しみたい方、ぜひお近くのクリニックで一度ICLの説明を受けてみてはいかがでしょうか。

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