葬儀費用の相場はいくら?安く抑える方法・困ったときの支払い法など
「葬儀費用の平均相場が気になる」
「葬儀費用を安く済ませる方法があるって、本当?」
そんな疑問をお持ちの方のために、当記事では葬儀費用の平均相場や、8つの「葬儀費用を抑える方法」を解説します。
さらに、追加で発生しやすい葬儀費用・葬儀費用の支払方法などもまとめました。
予め葬儀費用に関する重要ポイントをおさえておけば計画的かつ、賢い葬儀が出来ます。
突然の事態に焦って葬儀費用を膨らませたくない方は、ぜひこの記事をお役立てください。
葬儀費用について要約
- 葬儀費用の平均相場は家族葬・一般葬などの規模によって違う
- 内容別に見る葬儀費用の平均相場は、「葬儀費用一式」が最も高い
- 2つの「追加で発生しやすい葬儀費用」をおさえておけば、予想外の請求に驚きづらくなる
- 葬儀費用の支払者は施主(喪主)とは限らない
- 8つの「葬儀費用を抑える方法」を活用するほど、支払負担を軽減しやすい
【種類別】葬儀費用の平均相場
それでは早速、種類別に見る葬儀費用の平均相場を解説していきます。
【種類別】葬儀費用の平均相場
- 家族葬の平均相場
- 一日葬の平均相場
- 火葬・直葬の平均相場
適切な葬儀費用でとり行えるよう、上記3つの「葬儀費用の平均相場」を順に見ていきましょう。
家族葬の平均相場
家族葬の平均相場は約115万円です。
出典: エンディングデータバンク 2017年調査結果
一都三県の家族葬の平均相場は、以下をご覧ください。
一都三県の家族葬の平均相場
- 東京都:約113万円
- 神奈川県:約110万円
- 埼玉県:約104万円
- 千葉県:約114万円
なお家族葬とは、親族・友人などの親しい方のみで行う葬式のことです。
参列者が30名以内となる葬儀を「家族葬」というケースが多いです。
家族葬や一般的なイメージの「お葬式」の流れについては、以下をご覧ください。
家族葬・一般的なイメージの「お葬式」の流れ
- 逝去:家族・葬儀社への連絡
- 安置:ご遺体の搬送
- 調整:葬儀内容・日程の相談
- 納棺:ご遺体を棺に納める
- 通夜:通夜式の執行
- 葬儀:告別式の執行
- 火葬:骨上げ
- 換骨法要:故人の供養(初七日法要含む)
一日葬の平均相場
一日葬の平均相場は、全国平均30万円~40万円ほどとなっています。
一日葬は、1日で全ての段取りを終わらせるタイプのお葬式のことです。
お通夜をなくして全行程をコンパクトにまとめるため、故人とのお別れもきちんと出来ます。
一日葬は宿泊費などが不要となるため、遠方の方も葬儀に参列しやすい点が特徴的です。
一日葬の流れ
- 逝去:家族・葬儀社への連絡
- 安置:ご遺体の搬送
- 調整:葬儀内容・日程の相談
- 納棺:ご遺体を棺に納める
- 葬儀:告別式の執行
- 火葬:骨上げ
- 換骨法要:故人の供養(初七日法要含む)
火葬・直葬の平均相場
火葬・直葬の全国の平均相場は、約10万円~30万円です。
火葬・直葬は、通夜・告別式をしない点が特徴となります。
親しい方のみを数名招くタイプの火葬・直葬は、最も葬儀費用が抑えやすい葬儀形式です。
火葬・直送の流れ
- 逝去:家族・葬儀社への連絡
- 安置:ご遺体の搬送
- 調整:葬儀内容・日程の相談
- 納棺:ご遺体を棺に納める
- 火葬:骨上げ
- 換骨法要:故人の供養(初七日法要含む)
【内容別】葬儀費用の平均相場
次に、内容別に見る葬儀費用の平均相場として、以下の4点をご紹介します。
内容別に見る葬儀費用の平均相場
- 葬儀費用一式
- 接待費用
- 寺院費用
- 施設利用料
葬儀費用を正しく把握していただくため、上記4つの「【内容別】葬儀費用の平均相場」を順に解説します。
葬儀費用一式
葬儀費用一式の全国平均相場は、約121万円です。
なお、葬儀費用一式とは、葬儀に必要な料金をひとまとめにした名称のことです。
具体的には、ご遺体の搬送・通夜・告別式・火葬などに必要な人件費や備品費を指します。
葬儀費用一式に含まれる金額は、葬儀社によって異なります。
そのため当初の葬儀費用一式に含まれていない項目が多いほど、葬儀費用が安く見えます。
しかし実際には、後から追加料金が発生する可能性があり、合計の葬儀費用が高くなるケースがあります。
接待費用
接待費用の全国平均相場は、約30万円です。
なお接待費用とは、お通夜や葬儀の参列者に飲食を提供するための費用を指します。
接待費用は葬儀社、もしくは自身で依頼した飲食店に支払うケースが多いです。
通夜式後に行う「通夜ぶるまい」・火葬後に行う「精進落とし」の参加人数に4,000円をかけた金額が、接待費用の目安となります。
寺院費用
寺院費の全国平均相場は、約47万円です。
なお寺院費とは、僧侶に来てもらって読経・戒名授与などをしてもらった際に渡すお布施のことです。
お布施の費用は、寺院によって異なります。
施設利用料
施設利用の平均相場は以下をご覧ください。
施設利用の平均相場
- ご遺体の安置場所の利用料
・民間:約7万5000円~13万円
・公営:約3万5000円~6万5000円 - 葬儀施設利用料
・民間:約10万円~30万円
・公営:約2万円~5万円
上記の通り、施設利用料とは、葬儀をする施設やご遺体の安置場所にかかる費用のことです。
葬儀をする場所や、ご遺体の安置場所が自宅の場合、施設利用料は発生しません。
発生しやすい葬儀の追加費用
予想外の追加料金がかかってしまい、葬儀費用が膨らんでしまうケースもあります。
そこで、発生しやすい葬儀の追加費用について、お伝えします。
発生しやすい葬儀の費用
- 接待費用
- 葬儀一式費用
請求額を見て驚くことがないよう、上記2つの「発生しやすい葬儀費用」を順に見ていきましょう。
接待費用
発生しやすい葬儀の追加費用の1つ目は、接待費用です。
接待費用は、最も追加料金が発生しやすい葬儀費用とされています。
通夜・葬儀で予想以上の参列者があり、接待費用が膨れ上がるケースが多いです。
通夜・葬儀は事前に参列者の人数を把握出来ません。
その理由は、結婚式のように参加の有無をやりとりする風習がないからです。
そのため予想よりも参列者が多くなり、追加費用が発生しやすいです。
接待費用をなるべく正確に把握されたい場合には、人数ごとにパターン分けして見積もりを作ってもらう方法がおすすめとなります。
例えば、参列者が20名の場合・30名の場合・40名の場合の葬儀費用の見積もりを作成してもらうといった具合です。
参列者が最も多くなる人数の見積もりを把握しておくと、予想外の葬儀費用に焦りづらくなります。
葬儀一式費用
発生しやすい葬儀の追加費用の2つ目は、葬儀一式費用です。
葬儀一式費用で追加料金が発生する状況としては、安置費用・ドライアイスの費用などがプラスされるケースが多いです。
葬儀一式費用に安置費用・ドライアイスの費用などを含んでいるかどうかは、葬儀社によって異なります。
そのため、見積もり時に葬儀費用の詳細を確認することで、予想外の費用の増加を防止出来るでしょう。
葬儀費用の支払者
葬儀費用の支払者は、以下の3つに分けられます。
葬儀費用の支払者
- 施主
- 親族
- 故人
葬儀費用の支払者は、各々で決めることになっており、誰が支払うべきかは決められていません。
そのため状況に応じて、葬儀費用の支払者は異なります。
ここでは上記3つの「葬儀費用の支払者」を順に解説します。
施主
葬儀費用の支払いは施主になるケースが多いです。
施主とは葬儀費用の支払いをする人のこと指します。
施主は喪主も兼ねることが多いです。
なお、喪主とは葬儀を執り行う人のことです。
誰が施主・喪主になるかは自由に決められます。
配偶者・子など、故人に近しい方が施主・喪主になるケースが多いでしょう。
しかし、高齢・体調不良などにより故人に最も近しい方が施主・喪主になれない場合もあります。
そういった場合には、次に個人に近しい方が選ばれるケースが多いです。
例えば、故人の配偶者が施主・喪主になれない場合、長男や次男が選ばれるという状況が挙げられます。
親族
葬儀費用を親族が支払うケースもあります。
施主が葬儀費用を支払えない場合、複数の親族が分担して支払う状況もあるでしょう。
この場合、施主も葬儀費用の支払いを分担し、親族の支払分と合わせて葬儀費用を工面することがあります。
故人
自身の葬儀費用を積み立てている場合には、支払者は故人となります。
自身の蓄えや互助会などを使って、故人が生前から葬儀費用を積み立てているケースです。
互助会とは冠婚葬祭のために毎月、一定額を支払う仕組みを指します。
ただし、故人が加入していた互助会で積み立てた葬儀費用は、互助会の指定する葬儀社にしか使えないことがあるためご注意ください。
また、故人が互助会で積み立てた葬儀費用は、換金不可となるケースも多いです。
なお、故人が葬儀社と生前契約を交わしていた場合には、その契約内容に沿って葬儀をすることになります。
葬儀費用の支払者が気になった際には、故人の互助会・生前契約を確認されるとよいでしょう。
葬儀費用の支払方法
葬儀費用の主な支払方法は以下の5つです。
葬儀費用の主な支払方法
- 現金
- 銀行振込
- クレジットカード払い
- ローン
- 葬祭扶助制度
上記のうち特に注意が必要な、ローン・葬祭扶助制度です。
そこで、ここではローン・葬祭扶助制度の2点を解説していきます。
ローン
葬儀社の中には葬儀費用の支払いにローンを使える会社があります。
ローン払いが出来る葬儀社を事前に把握しておけば、葬儀費用の支払い対策となるでしょう。
なお、葬儀費用のローン名称は様々です。
例えば、「冠婚葬祭ローン」「フリーローン」などと呼ばれることが多いでしょう。
葬儀費用の支払いにローンを使う際の主な注意点は、以下の通りです。
葬儀費用の支払いにローンを使う際の主な注意点
- 分割手数料が発生する
- 審査に通らない場合ローンを使えない
葬儀費用の支払いにローンをお考えの場合には、事前にローンが使える葬儀社をチェックし、上記2つの注意点をおさえておきましょう。
葬儀扶助制度
葬儀扶助制度とは生活困窮者が利用出来る、葬儀費用の助成制度のことです。
葬儀扶助制度は生活保護法第18条に定められており、所定の条件を満たす方に適用されます。
ここでは葬儀扶助制度について、以下の4点を順にお伝えしていきます。
葬儀扶助制度について
- 対象者
- 助成金額
- 利用方法
- 葬儀内容
対象者
葬儀扶助制度の助成対象者は、以下の通りです。
葬儀扶助制度の助成対象者
- 遺族が困窮状態にある
遺族が生活保護を受給中など - 遺族以外が施主となる
故人に扶養義務者がいない場合
上記のいずれかに該当する場合には、自治体に葬儀扶助制度の対象となるかどうかを確認されるとよいでしょう。
助成金額
葬儀扶助制度で助成してもらえる金額は、約20万円です。
葬儀扶助制度で助成金額は、自治体などによって異なる点もおさえておきましょう。
利用方法
葬儀扶助制度を利用する際は、葬儀の前に申請をする必要があります。
申請が認められたら、葬儀社に葬儀扶助制度を使う旨を伝えましょう。
上記の流れで葬儀扶助制度に則り、葬儀費用が福祉事務所から葬儀社へ支払われます。
葬儀内容
葬儀扶助制度を使って行える葬儀内容は火葬、もしくは埋葬となります。
各自治体によって葬儀扶助制度に所定の方法があるため、詳細は自治体に確認しましょう。
葬儀費用を抑える方法
葬儀費用を抑える方法は、以下の8点です。
葬儀費用を抑える方法
- 葬儀の規模を小さくする
- 葬儀費用の見積もりを確認する
- 香典を葬儀費用の足しにする
- 助成制度を使う
- 遺産を使う
- 葬儀保険に入っておく
- 割引を使う
- 周りの人に相談する
少しでも支払負担を軽く出来るよう、上記8つの「葬儀費用を抑える方法」を順に解説していきます。
葬儀の規模を小さくする
葬儀費用を抑える方法の1つ目は、葬儀の規模を小さくすることです。
葬儀の規模を小さくするほど、葬儀費用が安くなりやすいです。
葬儀費用が安い順に葬儀形式を並べると、以下となります。
葬儀形式(葬儀費用が安い順)
- 直葬
※全国平均相場:約10万円~30万円 - 一日葬
※全国平均相場:約30万円~40万円 - 家族葬
※全国平均相場:約約115万円
上記の通り、葬儀の規模が最も小さい直葬の葬儀費用が、最も支払負担を減らしやすい葬儀形式です。
葬儀費用を最小限に留めたい場合は、直葬を検討しましょう。
葬儀費用の見積もりを確認する
葬儀費用を抑える方法の2つ目は、葬儀費用の見積もりを確認することです。
葬儀費用一式の料金の中に、どの項目が含まれているのかをチェックすれば、追加費用が発生しづらくなります。
葬儀費用の見積もりをしっかり確認するためには、早めに見積もりを出してもらうことが大事です。
もし見積書の中に不明な項目があったり、含まれていると思っていた項目がなかったりした場合には、葬儀社に確認しましょう。
なお、施設利用料を抑えたい場合には、自宅や公営式場などを利用する方法があります。
自宅を使うことで、葬儀費用を抑えやすくなります。
香典を葬儀費用の足しにする
葬儀費用を抑える方法の3つ目は、香典を葬儀費用の足しにすることです。
香典を葬儀費用に使えば、支払負担を抑えられます。
香典は故人へのお供え物の意味もありますが、遺族の負担を軽くする目的もあります。
そのため、葬儀費用の足しにすることは問題ありません。
助成制度を使う
葬儀費用を抑える方法の4つ目は、助成制度を使うことです。
葬儀費用の支払負担を軽減したい場合には、葬祭費が役立ちます。
葬祭費とは、健康保険の加入者が亡くなった際、喪主に支給される制度です。
加入している健康保険によりますが、葬祭費を利用すれば1万円~7万円を受け取れます。
また、生活に困窮している方が葬儀をすることになった場合などには、先ほどお伝えした葬祭扶助制度もあります。
助成制度をしっかり使って、葬儀費用を抑えていきましょう。
遺産を使う
葬儀費用を抑える方法の5つ目は、遺産を使うことです。
故人の遺産を葬儀費用の足しにすれば、支払負担を抑えられます。
しかし、遺産の受取りまでに時間を要するケースがあるのでご注意ください。
また相続人が複数人いる場合などは、遺産のうちのいくらが手元に入るかわかりません。
遺産の受取額が少ない場合には、あまり葬儀費用の足しにならないケースがあるので、ご注意ください。
葬儀保険に入っておく
葬儀費用を抑える方法の6つ目は、葬儀保険に入っておくことです。
亡くなることで葬儀費用の負担が懸念される方がいる場合、葬儀保険を利用してもらえば、施主の負担は軽くなります。
葬儀保険とは葬儀費用の一部、または全部に備えるための保険です。
「葬儀保険」という場合には、通常の生命保険や少額短期保険を指すことが多いです。
葬儀保険に入る場合には、亡くなった際に保険金が支払われる時期を意味する「責任開始期」にご注意ください。
葬儀保険の申込日から責任開始期までの間に亡くなった場合には、葬儀費用を受け取れない可能性があります。
割引を使う
葬儀費用を抑える方法の7つ目は、割引を使うことです。
予め葬儀社を決めておくことで葬儀費用を安くしてくれる葬儀社もあります。
申込み時期から2年経過すると、約7万円が割引されるなど、早めに申し込んでおくことで葬儀費用を抑えることが可能です。
少しでも葬儀費用を抑えたい場合には、割引がある葬儀社を検討しましょう。
周りの人に相談する
葬儀費用を抑える方法の8つ目は、周りの人に相談することです。
葬儀費用の負担を抑えたい場合には、周りの方の力を借りると、問題を解消出来るケースがあります。
親族に相談した場合、葬儀費用を分担してくれることもあるでしょう。
また、友人に葬儀費用を相談した際には、あなたに合った工面方法を提案してくれる可能性も。
葬儀費用を抑えたい場合には、周りの人に相談することもひとつの手です。
「葬儀費用」まとめ
「葬儀費用|まとめ」
- 葬儀費用の平均相場は家族葬・一般葬などの規模によって違う
- 内容別に見る葬儀費用の平均相場は、「葬儀費用一式」が最も高い
- 2つの「追加で発生しやすい葬儀費用」をおさえておけば、予想外の請求に驚きづらくなる
- 葬儀費用の支払者は施主(喪主)とは限らない
- 8つの「葬儀費用を抑える方法」を活用するほど、支払負担を軽減しやすい
葬儀費用の平均相場を種類別・内容別に把握しておけば、あなたの状況に合った葬儀方法を選びやすくなります。
そのうえで予想外の請求に驚かなくてよいよう、追加で発生しやすい葬儀費用をおさえておけば、計画的な支払いが出来るでしょう。
もし生活が困窮しているには、助成制度の利用も視野に入れて検討なさってください。
さらに葬儀費用を抑えたい場合には8つのコツを有効活用して、少しでも支払負担を軽減しましょう。