【専門家インタビュー】中原英臣先生|新型コロナウイルスとがん治療経験について聞く
現代では大体の病気は治してもらえます。
僕の実体験で証明出来ているんじゃないかと思います。
TV で医療制度の問題点を鋭く指摘するなど、コメンテーターとしてお馴染みの医学博士・中原英臣氏。
最近は新型コロナウイルスを取り上げたニュース番組などで見かけることが多い。
細菌学、衛生学を専門とし、現在は山野医療専門学校副校長を務めている。そんな中原氏に自身の病気の体験から得た教訓などを聞いた。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが…
入院中の患者さんだと院内感染が心配でしょう。
でも、病院の先生方はそれを一番注意しているから、どうか心配し過ぎないでください。
新型肺炎に感染し易い場所として、病院以外に薬局が挙げられます。
昔は病院の中で薬を処方してもらいましたが、今では処方箋を持って、病院の外の薬局に買いに行きます。
僕もそうですが、持病があって定期的に薬が必要な方が、集まる場所にもかかわらず、皆さんは薬局に対しては病院のように注意をしていないでしょう。
病院では医師や看護師などの医療従事者、薬局では薬剤師さんが感染し易い環境にあるから守ってあげないといけません。
既往症があって不安を感じている患者さんは多いかと思います。
日本各地で発症した方がどんどん見つかって、ウイルスの封じ込めに失敗したことはわかっています。
発症数は今の段階では千人単位ですが、それは氷山の一角で、これからもっと見つかるでしょう。※2020年2月末時点
先日、TV番組でコメンテーターの方たちに「インフルエンザで入院したことがありますか」とお聞きしたら、全員「ない」と答えました。
インフルエンザは検査したその場でインフルエンザだと診断されても、そのまま入院なんてことはありません。
皆さん薬をもらって帰宅されますよね。
新型コロナウイルスはこれからそんな病気になりつつあります。
WHOが83%は軽症だと発表しています。
だから、怖がらなくても大丈夫ですよ。
数週間前までは発症したら隔離されていましたけど、それはウイルスを日本に入れないようにと水際作戦をやっていたからです。
でも、各地で既に広がってしまいました。
重症度はインフルエンザとほぼ一緒。
特効薬がまだないという問題はありますが、エボラウイルスみたいに8割の死亡率があるようなとてつもない感染症ではないんです。
患者さんへメッセージを。
僕は、2011年にステージⅢの中咽頭がんだといわれ手術をしました。
その後、肺に2回転移しましたが、放射線治療で治してもらいました。
僕が若かった頃なら、がんになって再発や転移をすると、治ることは殆どないというのが、医学の常識でした。
昔の肺がんの検査はレントゲンの写真1枚です。
そこに写るのは、既に大きくなった腫瘍だけ。
それが今ではCTやPET検査で小さながんを早期に見つけることが出来ます。
3年前にはカテーテルで脳の動脈瘤の手術をしました。
昔だったら開頭手術で死亡率1%。5%は何らかの後遺症が残りました。
だから、「脳ドックなんて受けるな」なんて、仲間の医師たちの間でいっていたくらい。
現在ではカテーテルで治せて、お蔭様でこうやって元気に仕事が出来ています。
病気は治るんです。
確かに難しい病気だってあるでしょうが、医学は日進月歩で進化しています。
昔はエイズだって死に至る病といって大騒ぎしたけれど、今は薬が出来て死ぬことはないでしょう。
現代では大体の病気は治してもらえます。僕の実体験で証明出来ているんじゃないかと思います。
いい医師を探すことが大事ですけどね(笑)。
最後にいい医師の探し方を教えてあげましょうか。
医師がかかっている医師を探すことです。
医師の方に出会うことがあったら、病気になったらどこの医師にかかるのか、上手に聞き出すことです。