銀座みやこクリニック
院長 濱元誠栄
対談
銀座みやこクリニック
看護師 堀江悠子
眠ってもとれない疲れの原因は活性酸素ダメージの蓄積
堀江
看護師のお仕事を終えてから、保育園に子供を迎えに行き家事をしたら、もう夜にはくたくた。
特に屋外で紫外線を浴びて、子供と一緒に遊んだ日は、たっぷり睡眠をとっても、翌朝疲れを感じることがあります。
先生、寝てもとれない疲れの原因は何でしょうか。
濱元
ヒトに限らず生物が活動する時には、大量の酸素を消費しますが、同時に大量の活性酸素が発生します。
活性酸素は強力な酸化力を持っており、ウイルスや細菌を退治してくれるなど、身体に必要なものなのですが、健康な細胞も傷つけてしまう諸刃の剣のような存在です。
細胞が酸化し傷つき始めると、通常であれば活性酸素から身体を守る仕組みが発動します。
しかし、睡眠不足や栄養不足、過労、喫煙や飲酒、ハードな運動、紫外線など、何かしらのストレス要因が積み重なると、細胞の修復が追いつかなくなり、細胞はますます傷ついていきます。
その損傷がシグナルとなり、免疫系サイトカインが増加。その結果、炎症が起こり、代謝や情報伝達系に異常をもたらすのです。
疲労という感覚は生物にとって、疼痛・発熱と並んで「三大アラーム」といわれています。眠ってもとれない疲れは、身体が発している生命維持のためのシグナルなんですよ。
人間が本来持つ抗酸化酵素「SOD」が疲れをとる重要な鍵
堀江
私の疲れがとれないのは、紫外線が原因だったのかもしれませんね。
看護師は仕事柄、夜勤があって睡眠不足になったり、立ち仕事で過労になったりすることが多いからか、お友達の看護師も、疲れがとれないということを、よく口にします。
活性酸素によるダメージを軽減させて、疲れをとるよい方法があれば、是非教えてください。
濱元
十分な睡眠、そしてバランスのとれた栄養の摂取が大切なのは当然ですが、それだけでは回復出来ない活性酸素ダメージの解消のために、抗酸化力を高める成分を、日常的に摂取することをお勧めします。
堀江
抗酸化力があるという様々な健康成分がありますが、先生がお勧めするのはどんなものですか。
濱元
医師という立場から皆さんにお勧めするとすれば、やはりエビデンスがしっかりあることが条件になります。
今、私が注目している成分のひとつに、ヒトの体内に元々ある酵素のひとつであるSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)があります。
日本語で『活性酸素を除去する酵素』という意味です。生体は活性酸素の高い毒性から身を守るために、様々な抗酸化防御系を発揮します。その第一防衛ラインとして重要な働きをするのが、SODという抗酸化酵素です。
堀江
濱元先生が仰った活性酸素から身体を守る仕組みですね。
メロンからとれるSODが自前の抗酸化酵素を増殖させる
濱元
SOD酵素は、20歳をピークに、活性が落ちていき、40歳を過ぎると、体内のSOD産生能力は著しく低下します。
かつては牛血漿から抽出したSODが、炎症性の疾患などの治療薬として使われていましたが、BSE(牛海綿状脳症)の懸念が拭えません。
しかし、SOD抗酸化力が非常に強い品種のメロンからとれるSOD酵素が、強力かつ大変人体に有効で、経口で摂取することで、体内のSODの働きを補うことが可能であると、研究で解明されています。
メロンSODを経口摂取したラットによる実験では、赤血球、肝臓、心臓などのSOD活性が上昇。
様々な実験でメロンSODが、腸を通過すると、身体が持つ抗酸化物質であるSOD、カタラーゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼが、体内で発現して増加することがわかっています。
メロンSODそのものが作用するのではなく、抗酸化防御システムを刺激して、自前の抗酸化酵素の発現を促すのです。
疲れを感じる方、ストレスが多い方には、是非生活習慣に加えていただきたい成分です。
精神的なストレスが強力な活性酸素を発生させる
堀江
身体的なストレスだけではなく、精神的なストレスでも活性酸素は発生するんですか。
濱元
実は、精神的なストレスが引き金となって発生した活性酸素こそ侮れないんですよ。
ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾールというホルモンは、コルチゾンという前駆物質から合成されるのですが、この合成の過程でヒドロキシルラジカルという活性酸素が発生します。
これは活性酸素の中で最も酸化力が強く、体内の糖質や蛋白質や脂質など、あらゆる物質を一瞬で酸化させます。
ストレスが多い方は、特に先回りでメロンSODを摂取するなどして、酸化を上手に防いでいただきたいものです。
※出典 Decorde et al., 2009;Carillon et al., 2011; Lallès et al., 2011.
銀座みやこクリニック https://gmcl.jp
院長 濱元誠栄
2001 年、鹿児島大学医学部卒業後、沖縄県立中部病院、杏林大学医学部、茨城県地域がんセンター、沖縄県立宮古病院、宮古島徳洲会病院を経てがん再生医療の道へ。2018 年、銀座みやこクリニックを開業し、遺伝子治療、免疫治療、セカンドオピニオン、再生医療などを行っている。日本外科学会専門医、日本形成外科学会、日本癌治療学会、日本再生医療学会認定医、日本禁煙学会指導医