高齢社会や待機児童など介護と育児に関する問題が増えていますが、より深刻な問題として「ダブルケア」という状況をご存知でしょうか。

ダブルケアとは、育児と介護が同時期に重なる状況の事ですが、高齢化や晩婚化などの影響により徐々に直面する世帯が増えてきているのです。

この記事では、ダブルケアが負担になる理由や具体的な予防方法について紹介していきます。

ダブルケアとは?

親の介護と子育てを同時に行う状況を「ダブルケア」と呼びます。

平成28年度の厚生労働省の推計では、全国に25.3万人もの方がダブルケアに関わっていると報告されており、今後も高齢化や晩婚化を背景に増えていく可能性があるのです。

ダブルケアに直面すると時間的な制約や経済的な負担が強まりやすく、心身ともに参ってしまう方も少なくはありません。

しかし、現状では支援や対策の環境が十分整っておらず、様々な問題を当事者が抱え込みやすくなっているのです。

ダブルケアによる問題と負担

介護や子育ては、終わりが見えにくいため負担に感じてしまうのです。

どちらも頑張りたいと思うも、徐々に気持ちにも余裕が無くなってしまうこともあるでしょう。

しかし、介護や子育ては家庭の問題として外部に相談しにくい一面もあり、問題として表面化されないのです。

ライフスタイルが激変

核家族世帯が多く、介護が必要になった場合でも別居しながら介護を選択する家庭が多いです。

しかし、別居であれば介護者の体調や変化に気付きにくく、家族と介護サービスで状態の認識に違いが生じることもあるでしょう。

また、認知症を患っている場合では、徘徊や危険行動など離れていても不安に感じることは多くあり、ストレスとなりやすいのです。

一方、同居を選択すると住みやすくするために住宅を改修する必要があったり、介護事業所の出入りがあったりと、気が休まらないこともあるのです。

どちらにせよ、ライフスタイルが変化しやすく、ダブルケアを担う人の健康にも注意が必要となるのです。

身体的な疲労

介護も子育ても体力が必要です。

しかし、仕事と違って定時や終わりはありません。

自分の事を後回しにしてしまう方もいるでしょう。

頑張れば頑張るほど身体的に疲労が溜まってしまうこともあるのです。

精神的な孤独

介護と育児を同時に相談できる窓口は少なく、ダブルケアの相談ができる環境は整っていないのが現状です。

区役所などでも育児と介護は別の課が担当しており、使える制度も異なります。

また、ダブルケアは社会的問題として認知度も高くないため、負担を共有できる場所も少なく孤独に陥りやすくなるのです。

負担を担うのは誰?

ダブルケアの当事者の年齢では、男女ともに30代から40代の割合が多くを占めていますが、実際には女性の負担が大きくなりやすい傾向があります。

夫の親を介護するダブルケアの場合には、妻の手助けを得やすいですが、妻の親を介護する場合には、夫からの手助けが得られるのは、4人に1人の割合となっているのです。

そのため、ダブルケアでは女性の負担が大きく、生活にも変化が生じやすくなるのです。

仕事への影響

ダブルケアの当事者の年齢で多いのが、働き盛りの世代です。

ダブルケアでは、時間的な制約が大きくなるため、場合によっては働き方や雇用条件を変える必要があるのです。

厚生労働省の調査では、実際にダブルケアに直面した場合には、女性の7割は業務量や労働時間の調整を余儀なくされ、女性の就業への影響が大きくみらます。

また、男性の場合でも約半数は業務などを調整しダブルケアに関わっているのです。

具体的な解決策はない?

ダブルケアの環境は様々で、これさえやっておけば良いという万能な解決策はありません

勤務先の体制や住んでいる地域の公的なサービスの状況によっては、離職というケースもあるのです。

就業内容の変化を選択した方の多くが、育児や介護サービスの利用ができなかったことを挙げています。

十分に働くことができなくなると、経済的な負担が強まりより心身ともにストレスを抱え込みやすくなるのです。

ダブルケアの予防とは?

ダブルケアでは、予防がとても重要となります。

ダブルケアの予防は、直面した時の選択肢を知っておくことや経済的な対策を考えておくことなどを意味します。

また、前もって家庭での役割などを明確にしておくことも有効でしょう。

事前に家族で介護の役割分担について話し合う

介護は、必要が来る前に兄弟や家族で話し合っておくことが大切です。

可能であれば、親の意見を事前に聞いておくことが望ましいでしょう。

事前に話し合っておくことで、介護費用や介護保険のサービスの利用などの選択肢が検討できます。

いざ、介護が必要になった際にも、揉めたりしないように事前に話し合う事は重要です。

経済的な対策

ダブルケアに直面すると、十分に働く時間を確保できなくなり、収入が減少してしまう場合もあるのです。

介護と育児にかかる費用は平均月額8万円程度必要となります。

そのため、共働き世帯で収入が減少すると、確実に経済的負担が強くなるでしょう。

親の年金や医療保険などを活用する以外にも、共働きの家計では就労不能になった場合の保険などを検討し、いざという時に備えておくのも一つの方法です。

また、現在の家計の見直しの為にFPに相談し、必要資金を見直すこともよいでしょう。

公的な制度を活用

介護が必要になった場合には、在宅介護か施設サービスを利用するかを検討する必要があります。

しかし、地域によっては介護人員が不足しており、家族の負担が十分に軽減できない場合も少なくはありません。

そのため、予め地域の介護や育児の支援状況を調べておくことをおすすめします。

職場における支援制度を確認

勤めている場合には、働きながらどのような支援を受けることができるかを知っておきましょう。

法律では介護、育児ともに時間外労働や時短勤務の措置、休暇制度が設けられています。

ダブルケアに直面したら上司や人事課に相談してみましょう。

いざダブルケアに直面したら

予防が大事ではありますが、介護は突然必要になることもあるのです。

まずは、区役所や地域包括支援センターに現状や不安なことを伝えるようにしましょう。

地域によっては、ダブルケアの支援団体やピアサポーターの会もあるため、調べて実際に参加してみるのもおすすめです。

ピアサポーターとは、同じ境遇を体験した仲間といった立場で、体験談や知識を共有することができる会です。

また、そのような団体がなければ、SNSを活用してダブルケアのコミュニティに参加するなどストレスを貯めこまないことも必要です。

まとめ

今回は「ダブルケア」による問題点や現状を紹介しました。

・ダブルケアの支援や制度は十分ではない

・負担を抱え込まない体制作りを第一に

・生活を守るためにも事前の備えが重要

ダブルケアの認知度は低いかもしれませんが、平均寿命の延長や晩婚化の影響により、今後増える可能性が高い社会問題です。

ダブルケアに直面すると負担が大きく生活が一変してしまいます。

まずは、介護の役割分担や家計の見直しなどできる範囲で備えることを始めてみましょう。

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