パソコンやスマートフォンを、毎日数時間操作する現代人にとって、眼精疲労はつきものです。

“眼に良い食べ物”と言えば、「ブルーベリー」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ブルーベリーが眼に良いと言われる理由は「アントシアニン」というポリフェノールの一種を多く含むためです。

アントシアニンは、強い抗酸化作用を有し、眼精疲労軽減効果も認められていることから、近年注目を集めています。

今回は今注目を集めている「アントシアニン」の効果、アントシアニンを多く含む食べ物などについてお伝えしていきます。

アントシアニンとは?

アントシアニンとは、ブルーベリーや茄子、ブドウなどの皮に多く含まれる青紫色の色素成分で、強い抗酸化作用を有しています。

特にブルーベリーの一種であるビルベリーには、多くのアントシアニンが含まれており、近年予防医学、美容分野などで注目されています。

アントシアニンの効果

アントシアニンが眼に有効であることは有名ですが、眼への効果の他にも様々な健康効果がある可能性が多くの研究結果から示されています。

眼への効果

アントシアニンの眼への影響については、1960年代から研究が行われていました。1968年に発表されたウサギを用いた研究では、アントシアニンがロドプシンの再合成を促すという内容が示されました。

ロドプシンとは、眼の網膜に存在する紫色のタンパク質で、光の刺激を受け取ると分解されます。その際発生する電気信号により、光の情報が脳へ伝わるのです。

通常、分解されたロドプシンはすぐに再合成されるのですが、加齢による変化、目を酷使することにより再合成がスムーズに行われなくなり、見えにくさ(特に暗い時)を感じることになります。

このロドプシンの再合成を助ける働きがあると示したのが、この研究です。この研究を皮切りに、アントシアニンの眼への効果についての研究は現代まで続いています。

過去の実験は動物実験が多く、エビデンスに乏しい研究も存在しますが、近年はヒトへの臨床実験も活発に行われています。

近年行われている研究は主に、ビルベリー(ブルーベリーの一種)エキスの眼精疲労への有効性を調査したものが多く、その多くがアントシアニンの眼精疲労への有効性を示しています。

例えば、2013年に報告された論文(※1)ではVDT作業(パソコンやスマートフォンなどのディスプレーを操作する作業)後の対象者に対し、ビルベリーエキスを毎日(160mg/日)4週間に渡り摂取させた結果、プラセボ群(ビルベリーエキスを摂取しなかった人達)と比較調査しました。その結果、眼精疲労の自覚症状が減少してた他、眼科的検査の結果眼のピント調節力の改善も見られました。アントシアニンのピント調節力改善効果と眼精疲労軽減効果が示された研究です。

眼精疲労やピント調節力改善に対する研究以外では、アントシアニンが白内障に有効である可能性を報告した論文もあります。(※2)

アントシアニンには眼精疲労軽減効果やピント調節力改善効果、白内障予防の可能性は研究により有効性が示されていますが、アントシアニンの視力回復効果を示す研究論文は未だ発表されていません。

眼に良いという情報から、巷ではアントシアニンを摂取すれば「視力が回復する」という誤解が広がっていますが、その根拠を示す研究論文は無いのが現状です。

美肌効果も?

美容に関する断定的な効果を示す研究論文は未だありませんが、アントシアニンの有する抗酸化作用には近年注目が集まっています。

抗酸化作用を発揮する「抗酸化物質」は、シミ、シワなどの老化やガンなどの病気のもとになる「活性酸素」を除去する働きがあるため、美容や病気予防にも効果があるのではないかと考えられています。

糖尿病予防効果も期待されている

2014年に「Journal of Nutrition」に掲載された論文(※3)では、アントシアニン・ブラボンを摂取している人はインスリン抵抗性が相対的に低いという調査結果が報告されています。これは、アントシアニンやブラボンが2型糖尿病発症のリスクを低減させる可能性があることが示されています。

アントシアニンに血糖上昇抑制効果があることも報告されており(※4)、糖尿病予防効果が期待されています。

アントシアニンを含む食品

・ブルーベリー・ビルベリーなどのベリー類

・カシス、ぶどう、イチゴ

・赤紫蘇、茄子、黒豆、黒ごま    など

アントシアニンを多く含有する「ビルベリー」とは?

ブルーベリーの一種で、見た目はブルーベリーとほぼ同じですが、ブルーベリーの果肉は白色であるのに対し、ビルベリーは果肉まで紫色をしています。

果肉まで青紫色の色素を含むので、ブルーベリーより多くのアントシアニンを含有しています。

ビルベリーが、どれくらい多くアントシアニンを含有しているかというと、一般的なローブッシュブルーベリーの約2倍、ハイブッシュブルーベリーの約5倍も多く含まれています。

北欧を中心に、古くからこの実を煎じて薬として使用していました。現在も、イタリア・フランスなどでは医薬品として認可されているほどです。

ビルベリーはどこで買える?

ビルベリーは北欧原産です。日本の企業でも栽培が成功しているところもありますが、新鮮な生のビルベリーを日本で手に入れることは難しいでしょう。

ビルベリーの多くは、冷凍されていたり、ジャムやソース、ジュースに加工されて流通しており、インターネットで購入できます。

ビルベリーを果実やジャムで食べてもアントシアニンは摂取できますが、より手軽に効率よく摂取したい方には「サプリメント」がおすすめです。ビルベリーのエキスを使用したサプリメントは「眼に効く」として、ドラッグストアなどで販売しています。

手軽な価格で購入できるので、お試ししてみてはいかがでしょうか。

まとめ

アントシアニンの効果は眼だけではなく、アンチエイジングや疾病予防効果も期待できます。

これから臨床実験が進むことで、より確実的なエビデンスの確立、アントシアニンの新たな可能性が明らかになっていくでしょう。

この記事のまとめ

  • アントシアニンはブルーベリーやビルベリーなどに含まれる色素成分
  • 主にVDT作業後の眼精疲労を軽減させる
  • 美肌効果や糖尿病予防効果も期待できる
  • よりアントシアニンを多く含むのはビルベリー
  • ビルベリーはサプリメントで手軽に摂取できる

参考文献

※1:瀬川潔ほか VDT 作業負荷による眼精疲労自覚症状および調節機能障害に対するビルベリー果実由来アントシアニン含有食品の保護的効果 薬理と治療 Volume 41, Issue 2, 155 - 165 (2013)

※2:わかさ生活 みらい研究所|多くの人が悩む白内障に北欧産ビルベリーが働きかける新たな予防効果を発見!

※3: Jennings A, Welch AA, Spector T, Macgregor A, Cassidy A. Intakes of anthocyanins and flavones are associated with biomarkers of insulin resistance and inflammation in women. Journal of Nutrition、 2013年12月11日、144(2): 202-208 

DOI: 10.3945 / jn.113.184358  PMID:24336456※4: Takikawa M, Inoue S, Horio F, Tsuda T. Dietary anthocyanin-rich bilberry extract ameliorates hyperglycemia and insulin sensitivity via activation of AMP-activated protein kinase in diabetic mice. J Nutr. 2010;140(3):527–533. 

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