「花粉症が治ったら…」と思いませんか?今や国民病ともいわれる花粉症。自分に合った治療方法を見つけたい、という人は多いと思います。

かつてはアレルギーを抑える程度の治療しかなかった花粉症治療も、今やその人の状態や症状に応じて治療することが可能です。

完全に治ることは難しいと思っているかもしれませんが、実際に花粉症治療で根治したという人も。適切な治療を行えば、症状の改善が期待できるのです!

そこでこの記事では、花粉症の症状から治療の特徴メリット・デメリットや注意事項また治療後の注意点についてご紹介します。

この記事を読めば、自分に合った花粉症の治療方法を見つけることができるかもしれません。花粉症にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

花粉症の原因と症状とは?

花粉症の原因は、みなさんご存知のとおり「花粉」です。特に日本人の場合、70%もの人は「スギ花粉」が原因といわれています。(*1)

このスギ花粉症は、アレルギー性鼻炎の原因です。今では日本人の4人に1人が花粉症患者といわれ、多くの人を悩ませています。(*2-1)

最も多い原因のスギは「2月~4月」にかけてピークに。そのため、春先に花粉症の症状を感じる人は多いでしょう。

花粉症の症状には次のようなものがあります。(*2-2)

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみ
  • 目の充血

これ以外にも、アレルギーの全身症状である倦怠感や集中力の低下、皮膚のかゆみが出ることも。このように風邪のような症状が長く続く場合は、花粉症の可能性が高いです。

花粉症の原因や症状の詳細については、こちらの記事も参考になさって下さい。

花粉症の治療方法

花粉症の治療方法には、「対症療法」と「根治療法」の2種類があります。

対症療法は、花粉症の症状に対して治療を行うことです。根治療法は、花粉症を根本的に治すために行う治療をいいます。

  • 対症療法…薬物療法(局所療法、全身療法)、レーザー手術
  • 根治療法…舌下免疫療法、抗原特異的免疫療法(減感作療法)(*2-3)

対症療法

局所療法(薬物療法)

特徴

局所療法の特徴は、鼻や目などの局所的な部位に対して直接効果を得られるということです。点鼻薬や点眼薬が局所療法にあたります。

点鼻薬・点眼薬の主な作用は以下の通りです。

  • 抗ヒスタミン薬
    アレルギーを引き起こすヒスタミンの分泌を抑えることで、症状を改善する。
  • ステロイド薬
    粘膜の炎症を抑え、症状を緩和する。
  • 血管収縮薬
    粘膜の血管拡張を緩和し、むくみを取り除く。結果として、鼻づまりや目の浮腫を改善する。
  • メディエーター遊離抑制薬
    アレルギー成分であるケミカルメディエーターの放出を抑えることで、症状を改善する。

メリット・デメリット

メリット

  • 症状が出た部位にすぐに使える。
  • ヒスタミン薬は軽い花粉症に即効性がある。
  • ステロイド薬は、ひどい症状に対して効果が期待できる。
  • 血管収縮薬は、即効的に鼻づまりに効果がある。
  • メディエーター遊離抑制薬は、妊娠中でも使用できる。

デメリット

  • ステロイドの使用には、医師の指示のもと注意が必要。(眼圧上昇により、ステロイド緑内障になる可能性があるため。)
  • 抗ヒスタミン薬では眠気などの副作用も。
  • 血管収縮薬は、使いすぎると効かなくなってくる。
  • メディエーター遊離抑制薬は、全国的に処方されにくく手に入りづらい。

注意点

  • ステロイド点眼では、眼圧の上昇に注意が必要。(*3-1)(眼圧上昇では、目の疲れや頭痛、眼痛を感じることも。)
  • 抗ヒスタミン薬を使う場合は、車の運転を避ける。また、症状がひどい場合のみ、一時的に使用する。

全身療法(薬物療法)

特徴

薬物の全身療法とは、主に内服薬を利用した治療をいいます。主な薬は次の通りです。

  • 抗ヒスタミン薬
    ヒスタミンの働きをブロックし、アレルギー症状を抑える。今では「第2世代抗ヒスタミン薬」といわれる、副作用に眠気の出ないヒスタミン薬が主に使われている。(*2-4)
  • 抗ロイトコリエン薬
    アレルギー反応を起こすロイトコリエンの働きを抑える。ロイトコリエンは血管を広げる作用があるため、主に鼻の症状が強い場合に使用される。(*2-5)

この他にも症状によって、「経口アレルギー治療薬」や「経口ステロイド薬」などが併用して使われます。

メリット・デメリット

メリット

  • 軽症の場合、花粉が飛び始めてすぐの初期療法が有効(*3-2)
  • 抗アレルギー薬全般では、長期の内服で継続的に効果がある。
  • 比較的手軽にできる。

デメリット

  • 効果を得られるまでに時間がかかる。
  • 重症な症状では効果がないことも。

注意点

  • 副作用について、医師からしっかり説明を受けて治療すること。
  • 内服薬を途中でやめない。
  • 市販薬と併用して使わない

レーザー手術

特徴

レーザー手術は、鼻の粘膜をレーザーで焼くことでアレルギーを抑える治療です。(*2-6)鼻粘膜を物理的に減らすことで、アレルギー反応を少なくします。

非常に簡単な手術で、片方10分程度。両方でも20分程度で終わり、日帰り可能です。手術後は1回以上、必ず通院が必要になります。

適応される花粉症患者は、以下の通りです。

  • 薬物療法では効果を感じなかった人。
  • 妊娠中で薬物療法できない人。
  • 鼻の症状がひどい人。

メリット・デメリット

メリット

  • 薬物療法できない妊娠中の人でも可能。
  • 特に鼻づまりに効果が大きい。
  • 20分で終わる
  • 保険適用され、9000円程度で受けられる。(保険適用前:29,100円)(*2-7)
  • 日帰り手術が可能。
  • 一度行えば長期的(約2年)な効果がある。

デメリット

  • 鼻の粘膜が自然治癒すると、効果を失う(2年程度)
  • 術後1週間は、鼻づまりが強くなることも。

注意点

  • 2年ごと、人によっては1年ごとに手術が必要。
  • 耳鼻咽喉科での施術。
  • 基本的に一度受診し、手術の予約が必要。

根治療法

舌下免疫療法

特徴

舌下免疫療法は、舌の内側に薬を決まった時間保持し、その後飲み込む治療です。(*2-8)

アレルゲンの入った薬を口に含むため、初回は医師の監督下で行います。その後も約1か月おきに数年間にわたり継続的に行われます。

治療により、症状の改善や生活の改善、根治が期待できますが、同時に重篤な副作用を起こすことも。そのため、正しく治療方法を理解し取り組みことが重要です。

メリット・デメリット

メリット

  • 長期的な症状の改善や根治につながる。
  • 生活の質の改善につながる。
  • 使用している薬の減量につながる。
  • 途中からは自宅で行える。

デメリット

  • 副作用(口内炎やのどのかゆみなど)が出る。
  • 重篤な副作用である、アナフィラキシーショックが出る可能性も。
  • 数年間継続して行わなければいけない。

注意点

  • 正しい治療の知識を身に着けて行う。
  • 治療する前に、医師と十分にカウンセリングする。
  • できるだけ家族の協力を得る。

抗原特異的免疫療法(減感作療法)

特徴

抗原特異的免疫療法は、花粉から抽出した液体を薄くして注射し、花粉に対する免疫を得る治療法です。(*3-3)

最初はとても薄い濃度ではじめ、徐々に濃度を上げていきます。おおよそ1か月に1回の頻度で、2年継続して続ける治療です。

舌下免疫療法が行われるようになってからは、あまり行われなくなりました。しかし効果は高く、根治する可能性もあります。

メリット・デメリット

メリット

  • 根治する可能性がある。
  • 症状を軽症に抑えることができる。
  • 複数の抗原による治療ができる。(*3-3)

デメリット

  • 注射のため痛みを伴う。
  • 医療機関に通院が必要。
  • 重篤な副作用(アナフィラキシーショック)が出る可能性。
  • 2年間にわたり、継続しなければいけない。

注意点

  • 副作用が強いため、十分な理解が必要な治療。
  • 大学病院など、大きな病院でしか行えない。
  • 1か月おきに通院できる環境が必要。

花粉症治療後の注意点

花粉症治療前後は、花粉にできるだけ触れないような注意が必要です。日常生活であれば、眼鏡やマスクを着用する、窓を開けたままにしないことが対策になります。

他にも、ハウスダストやほこりなどの花粉以外のアレルゲンも、アレルギー症状引き起こします。そのため部屋はできるだけ清潔にし、衣類や寝具はこまめに洗濯しましょう。

こういった、花粉やハウスダストなどのアレルゲンにできるだけ触れないことは、症状の再発防止や、治療を効果的に行うために重要です。

症状を少しでも緩和するために、花粉症に触れない対策を心がけましょう。

適切な治療を行い花粉症を克服しよう!

  • 花粉症の原因や症状:花粉症の主な原因は「スギ花粉」です。花粉症は花粉により、鼻水、鼻詰まりや目のかゆみ、涙などの症状が出ます。
  • 花粉症の治療:花粉症の治療には、対症療法である薬物療法、レーザー手術と根治療法である舌下免疫療法、抗原特異的免疫療法があります。
  • 花粉症治療後の注意点:花粉症治療中から治療後は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンを避けることが重要です。

この3点を確認しておけば、自分にあった花粉症治療を見つけることができるかもしれません。特に花粉症が流行する春までに、対策を行っておくとより効果的です。

どこに症状が出やすいのか、どの程度生活に支障をきたしているのか、市販薬の効果の程度など、自分の状態を考え「花粉症治療」で花粉症を解決しましょう。

「看護師 油谷 美久」

(*1)厚生労働省「花粉症の原因」
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/dl/ippan2.pdf
(*2)全日本病院協会「花粉症について」
https://www.ajha.or.jp/guide/22.html
(*3)厚生労働省「的確な花粉症の治療のために」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf

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