お肉や魚、貝類などの調理方法や、調理済み食品の保存をする時、外食で生の牡蠣やレバーを食べる時に、ふと食中毒が心配になったことはありませんか?

食中毒とは、中毒症状を起こす元となる細菌やウイルス、寄生虫などがついたものを摂取することで、下痢や嘔吐、発熱などの中毒症状を引き起こすことです。

原因物質によって、中毒症状や症状が出るまでの潜伏期間は様々になります。

楽しく安全に食事をするためには、身近に潜む食中毒を正しく知り予防することが大切です。

食中毒の原因は?

食中毒は、主に細菌ウイルス寄生虫の3つによって引き起こされます。

以下に、それぞれ発生件数の多いものを紹介します。

  • 細菌:多い順にカンピロバクター腸管出血性大腸菌サルモネラ菌
  • ウイルスノロウイルス、ロタウイルス
  • 寄生虫アニサキス 

これらの中で、特に起こりやすい原因物質が
ノロウイルス、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌、サルモネラ菌、アニサキスです。

よくある食中毒TOP5

食中毒は、原因物質によって
感染経路潜伏期間、流行時期、症状などの特徴が異なります。

1位 ノロウイルス(ウイルス)

ノロウイルスは、誰もが一度は聞いたことがあるかと思います。

11月〜3月、の乾燥した時期に発生し、 飲食物からの感染と、ヒトからヒトへの感染があります。

カキなどの二枚貝や、飲み水がノロウイルスに汚染され、それを摂取することにより起こります。

また、ヒトからヒトへの感染は、トイレの便器やドアノブなど共有部分から感染が広がります。

感染者が手を十分に清潔にせず調理し、提供した食事から集団感染することもあります。

このノロウイルスは、近年主流になってきているアルコールによる手指消毒は無効です。
そのため、予防のためには、こまめな手洗いが必要です。

また、感染した人が使用したトイレ等の消毒には、塩素系漂白剤を水で薄めたもので拭き掃除や、便、吐物の処理をする必要があります。

ノロウイルスにも有効な次亜塩素酸ナトリウム液の作り方やその効果については、こちらの記事をご覧下さい。

ノロウイルスは感染力がとても強いことでも有名です。

症状:感染していても無症状の方もいます。発症までの潜伏期間は12〜48時間、水っぽい下痢、突然の吐き気、嘔吐、発熱が主な症状で、通常1〜2日で治まります。

ノロウイルスについてかこちらの記事でも詳しく解説しています。

2位  カンピロバクター(細菌)

主に、鶏肉や牛レバーなどを生あるいは加熱不足のまま食することによって起こります。

食品例としては鶏レバー、ささみのカルパッチョ、鶏レバー焼き、牛レバー、などです。
ごく少ない菌でも発症することで知られています。

症状:潜伏期間は2〜3日で、下痢、腹痛、発熱、吐き気、嘔吐、倦怠感、頭痛などの症状が現れます。

多くは自然治癒しますが、幼児や高齢者は稀に重症化することがあります。

また、合併症として、ギラン・バレー症候群(神経に障害を引き起こし、痺れ・痛みなどが出現する)を引き起こす例もあります。

3位  腸管出血性大腸菌(細菌)

O157を代表とする大腸菌による食中毒で、主な原因は肉類の生食、加熱不足です。

特にの腸、糞便に多量に生息している菌です。

例として井戸水、牛肉、牛レバ刺し、牛タタキ、シカ肉、ユッケなどがあります。
(食中毒を懸念し、平成24年以降、牛レバーは生食での提供が禁止されています。)

腸管出血性大腸菌は、体内でとても強い毒素(ベロ毒素)を排出することで、食中毒の症状だけでなく、数%〜10%の頻度で2週間以内に溶血性尿毒症症候群(腎不全、貧血)という重大な合併症を引き起こします。この合併症を引き起こしてしまうと、死亡率は2−4%と上がります。

症状:潜伏期は3〜5日間
無症状の人もいれば、水っぽい便、激しい腹痛、血便を伴い、合併症として脳炎溶血性尿毒症症候群を引き起こし死亡することもあります。

4位  サルモネラ菌(細菌)

原因食材は食肉やです。生卵が原因で子供の死亡例も報告されています。

症状:潜伏期間は12〜24時間。下痢、腹痛、吐き気、38°前後の発熱あり、平熱に戻るまで4〜5日を要するなどが挙げられます。

5位  アニサキス(寄生虫)

アニサキスは、その幼虫がサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカなどの魚介類に寄生しています。

アニサキス幼虫が寄生している魚介類を生または不十分な加熱で食べることで起こります。

症状:胃の壁にアニサキスの幼虫が侵入することで、みぞおちの激しい痛み、嘔吐、下腹部痛など引き起こします。
治療薬は無いため、内視鏡で胃の壁に侵入している虫を摘出する必要があります。

このように、食中毒の原因によって、症状や潜伏期間は異なりますが、
基本的に予防方法は共通しています。

食中毒予防の三原則

食中毒を予防する3大原則は、
原因物質を

  1. 付着させない(清潔を保つ、洗浄する)
  2. 増殖させない(冷却、保冷、迅速、乾燥)
  3. 殺す(加熱、殺菌)

この3つです。

1.付着させない

日常的に、調理をする前やトイレの後、食事の前などのタイミングでこまめに手洗いを行い、手に菌やウイルスをつけたままにしないことを意識しましょう。

また、細菌やウイルスが付着する可能性がある、まな板や包丁などの調理器具は、肉や魚などの食材を扱う毎に十分に洗浄し、清潔にしましょう。

食材(肉、魚、野菜など)によってまな板・包丁を使い分けるとより安全です。

肉や魚を触った後の手は、意識して十分に手洗いを行いましょう。

2.増殖させない

食品に、もし菌がついてしまっても、食中毒を起こすまでの菌量まで増えなければ発症しません

菌が増殖しないよう、食材は冷蔵冷凍して保存しましょう。

また、解凍後の食材は迅速に調理し、調理後は早めに食べることが大切です。

水気は細菌繁殖の温床となるため、調理器具は洗浄後しっかりと乾燥させて収納しましょう。

3.殺す

一般的に、食中毒の原因物質はに弱く、加熱すれば殺菌、殺虫することができます。

加熱が不十分だと、残ったわずかな菌が増殖し食中毒を起こすこともあるので、十分な加熱を心がけましょう。

ウイルスや菌など原因物質によって、加熱によって死滅する温度や時間にはわずかですが以下のような違いがあります。

  • ノロウイルス:汚染の可能性がある二枚貝等の中心部が85〜90度で、90秒以上の加熱推奨。
  • カンピロバクター:菌自体は65で死滅するが、食品の中心温度が75度以上で1分間以上の加熱が必要。
  • 腸管出血性大腸菌(O157等):中心部が75度以上で1分間以上の加熱で死滅。
  • サルモネラ菌:65度で3分間の加熱、または75度以上で1分間。
  • アニサキス(寄生虫):70度以上では瞬時に死滅する。


上記から、中心部75度以上になるよう1分間加熱することでほとんどの菌は死滅するため、食中毒を防げることがわかります。

ハンバーグやステーキなどは外が焼けていても中が生でしっかりと加熱されていないことがあり、食中毒のリスクが高まりやすいので、加熱調理の時間や火加減に注意しましょう。

また、調理器具も煮沸消毒塩素系漂白剤で殺菌消毒することが効果的です。

まとめ

  • 食中毒の原因には、ウイルス寄生虫がある。
  • 原因物質によって潜伏期間や症状、重症化率(合併症の有無)が異なる。
  • 食中毒の原因物質を付着させない増殖させない殺すことが原則。
  • 特に意識して行うべきは、こまめな手洗いと十分な加熱調理。

食中毒の主症状である、下痢・嘔吐はとても辛いですが、悪いものを身体の外に出すためのものなので下痢止めや吐き気止め自己判断で服用することはやめましょう
脱水等の自己判断が難しいので、重症化する前に病院を受診するようにしてください。

食中毒は、基本的な三つの予防方法で防げることがほとんどです。
正しく予防し、安心して食事を楽しみたいですね。

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