テレビニュースなどで有名人の訃報を耳にすると、
「葬儀は家族だけで済ませた」
「お別れ会のみ開催します」
というように、故人の見送り方も多様化してきました。

終活の一環で、生前に自分らしい葬儀をしてもらえるように用意する人たちも増えています。一方で、家族葬や直葬といったシンプルなスタイルを好むニーズも高まっています。

この記事では、時代とともにさまざまなかたちが誕生している葬儀の種類についてまとめてご紹介します。

そもそも"お葬式"とは何か

所謂お葬式は以下の4つによって構成されています。

通夜

葬儀を行う前に故人との別れを夜通し行う行事です。近年では「半通夜」といって泊まらない通夜も増えています。

葬儀

故人にお別れを告げる宗教的儀式です。僧侶による読経やお焼香等が行われます。

告別式

こちらも葬儀同様故人との別れを告げる儀式ですが、社会的意味合いを持っています。家族や故人と生前お付き合いがあった方々が集まり故人に最後のお別れを告げるものです。

近年では葬儀後に続けて行ったり、同時進行したりと簡略化された式も多くなっています。

一方、告別式だけを後日「お別れ会」といった形で行う場合もあります。

埋葬

一般的には墓地に葬ることを指しますが、近年はその方法が多様化しています。

少し前まではこれらの執り行い方には地域や宗派による小さな違いはあれど、大きな違いはありませんでした。

葬儀のかたちは時代とともに変化している

大切な家族や親戚、友人知人やお世話になった人の最期を見送る大切な葬儀。

最近はかしこまった儀礼的なイメージのスタイルから、親しい人たちだけで集まったり、故人の希望に沿って好きだった趣味をテーマに開催したり、さまざまな葬儀が行われています。

生前の本人が葬儀に抱いていたイメージや、残された家族がどのように送り出したいかによって、最期の別れとなる葬儀の選択肢が広がっているといえるでしょう。

それでは、昔ながらの葬儀のほかにどのような葬儀のニーズが増えているのでしょうか。

従来型の葬儀のかたち

以前からよく行われている葬儀には、次のような種類があります。

一般葬

●特徴
故人と遺族、親戚をはじめ知人や友人、仕事関係など社会との関わりを大切にする葬儀です。

一般葬は、「通夜」「葬儀」「告別式」を一般的な形式通り行うことを言います。半通夜、葬儀及び告別式を同時進行、といった簡略化がなされていることもありますが、皆さんが葬儀と聞いてイメージするのはこの一般葬であることが多いです。


●メリット
故人を見送りたいと思う人は誰でも参列してお別れすることができます。故人だけでなく遺族の人間関係も大切にできるので、義理立てることができて、社会的に礼を欠く心配がありません。


●デメリット
利用する会場によって会葬予定者の人数は違いますが、数十名から100名、300名など、故人や家族の人間関係の広さによって葬儀の規模が変わります。まとまった葬儀費用が必要になるほか、喪主や遺族は会葬者との対応に追われて、故人とのお別れだけに集中できない可能性があります。

社葬・合同葬

●特徴
企業の経営陣が亡くなったとき、法人として「葬儀」「告別式」を行うスタイルを社葬と呼びます。創業者や企業トップ、役員、また業務による事故で亡くなった社員が出たときにも社葬で送る場合があります。


一方、合同葬は個人と合同で「葬儀」「告別式」を執り行うものです。


●メリット
会社として亡くなった人の功績を社内外に発信でき、会社として故人へ感謝を伝えることができます。

●デメリット
社葬は顧客や世間の注目を集めますので、葬儀実行委員会を社内で組織ししっかりと準備する必要があります。通常業務に加えて人手と費用が必要となります。

規模の小さな葬儀のかたち

最近は大規模な一般葬を避け、家族や親しい方だけでシンプルな葬儀を行う方も増えています。

家族葬

●特徴
最近増えている家族葬は、「通夜」「葬儀」「告別式」を家族のみで行うことを指します。多くても30名程度までの小規模です。通夜は省略して葬儀・告別式のみ、または、葬儀をせずにそのまま火葬をするような場合もあります。

「葬儀は身内だけで済ませたい」「通夜や葬儀にたくさんの人が来てもらわなくてもいい」といった葬儀に対する意識の変化が時代とともに強まっているからと考えられます。


●メリット
残された家族や親しい親戚だけなので、ゆっくりと故人とお別れができます。外部の会葬者も少なく挨拶やお世話の対応もほとんどありません。葬儀費用もコンパクトに抑えられます。


●デメリット
友人や知人、仕事関係で弔問したい気持ちがある人が参列できなくなります。後から亡くなったことを知って、人間関係に影響を与える可能性を考慮する必要があります。

直葬・火葬式

●特徴
「通夜」「葬儀」「告別式」をせず、遺体をそのまま火葬場まで運んで火葬・埋葬する方法です。拾骨してそのまま納骨まで済ませることも多く、厳密には葬儀ではありません。ごく少数だけで見送る場合もあれば、僧侶を呼んで火葬炉の前で簡略な読経や焼香をして見送る場合もあります。


●メリット
会葬者もごくわずかで火葬費用だけで済むのでお金がかかりません。また、早ければ数時間で終わります。


●デメリット
葬儀はしないのでお別れの時間はありません。故人にゆっくりとお別れを告げたい方は、他の葬儀方法を選択するケースが多いです。

骨葬

●特徴
遺族だけで火葬を先に済ませて、後日改めて遺骨を祭壇に据えて葬儀・告別式をする方法です。通夜はなく家族で簡単な葬儀・告別式を行うことがほとんどです。


●メリット
事故等で遺体を火葬してからでないと葬儀ができない場合や火葬を先にして葬儀は落ち着いてから行う必要がある場合等、その時々の都合で選択されます。また、遠方の会葬者も骨葬の日程に合わせて参加しやすくなります。


●デメリット
故人の顔を見られない、亡くなった日と葬儀との間が空いてしまう、等が考えられます。

最近増えている葬儀のかたち

最近は、従来の葬儀スタイルにとらわれない、自由な発想の葬儀も登場しています。

自由葬

●特徴
自由葬は、「葬儀」「告別式」の新しいスタイルです。故人の趣味や嗜好に沿ったテーマで本人を偲びます。一般葬のような従来型の葬儀・告別式ではなく、故人が好きだった音楽を流す、プロの演奏家や故人の音楽仲間が演奏するといった音楽葬がよく知られています。


●メリット
故人らしい雰囲気に包まれた中で送り出せます。好きだった音楽を聴きながら思い出話を語り合ったりできるのもメリットです。


●デメリット
会場によっては音響が使えない、BGMや演奏に制限がある場合があります。音楽葬を始め自由葬を考えている場合は、生前に葬儀会場に問い合わせておきましょう。

自然葬

●特徴
自然葬は、「埋葬」方法の一種です。日本では火葬をしてから遺骨をお墓に埋葬するのが一般的ですが、山や海に散骨して埋葬に代えます。

散骨場所はさまざま。外洋や山林をはじめ大気圏外に遺骨を納めたカプセルを打ち上げる宇宙葬やバルーン葬もあります。

また、厳密には自然葬ではありませんが、遺骨を墓石ではなく木や花の下に埋める樹木葬という方法もあり、墓石よりも費用が抑えられる、見た目が美しい等の理由から注目を集めています。


●メリット
本人が好きだった山や海、空などに還すことができます。散骨自体は昔から行われてきたものですが、近年はその選択肢が増えてきており、故人らしいお見送りが実現できるかもしれません。


●デメリット
散骨は許可を得た指定場所でしかできません。また、火葬した遺骨をそのまま撒いたり、埋めたりすることは法律によって禁止されています。細かなルールがあるので、専門の葬儀業者に依頼するのがポイントです。

埋葬については、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

・個人とのお別れは一般的に「通夜」「葬儀」「告別式」「埋葬」で構成されている
・一般葬や社葬は従来型の葬儀
・家族葬や直葬といったシンプルな葬儀も一般的になりつつある
・自由葬や自然葬といった従来の方法に縛られない葬儀や埋葬の方法も認知されてきた

故人の思いを汲み取りながら、どのようなスタイルの葬儀が良いのか、普段から家族で話し合ったり、情報を集めておいたりするといいでしょう。

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