最近は平均寿命がますます伸び、寿命まで出来る限り長く健康でいる為に「予防医学」が注目されています。

食べる物に気を使ったり、適度な運動をしたり、健康のために努力されている方は多いことでしょう。

これほどまで予防医学が注目されているにも関わらず、病気を早期に発見するための「人間ドック」を受ける方はまだそれほど多くありません。

厚生労働省の調査(※1)で、人間ドックを受けない理由としてあげられたのが、「心配なときはいつでも医療期間を受診できるから」「面倒だから」「時間がとれなかったから」「費用がらかかるから」といったものでした。

人間ドックは、本当に【面倒】【時間がかかる】【お金がかかる】のでしょうか?受けた方がいいのでしょうか?詳しく解説していきます。

人間ドックは受けた方がいいのか

もちろん、受けた方が良いです。受けるに越したことはありません。

加齢により身体にトラブルの起き始めることの多い40歳以降からは特に受けることをお薦めします

多くの方は、職場や市町村で年に一回程度健康診断を受けていると思いますが、健康診断ではおおまかな検査しか行われません。

よりしっかりと丁寧に身体を調べるためには、人間ドックでの検査が必要です。 

一般的に人間ドックでは調べるが健康診断では調べない項目▼

健康調査、体脂肪率、眼圧、便潜血、尿検査一部(ウロビリノーゲン、潜血、pH、比重、沈渣、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、クロール)肝機能検査一部(総蛋白、アルブミン、A/G比、LDH、ALP、LAP、総ビリルビン)膵臓機能検査、感染症・炎症反応検査、糖尿病検査一部(Hb A1c)、尿酸検査、血液検査一部(MCV、MCH、血小板、血液型、血沈、血清鉄)、呼吸器検査一部(胸部側面のX線、予測肺活量、努力性肺活量      、1秒量、肺活量、1秒率.ピークフロー)腹部超音波検査、上部消化器X線

これだけの項目が人間ドックでは調べることができます。

健康診断の検査項目でも、生活習慣病の発見はほぼ確実にできますが、疾患の特定までは難しいです。

例えば悪性腫瘍(がん)や腎臓・膵臓の疾患などによる異常の発見は健康診断では難しいため、健康状態に不安のある方や、家系に病気のある方(特にがんや血管疾患など)、40歳以上の方はできれば人間ドックを受けることをお薦めします。

人間ドックを受けると悪性腫瘍(がん)は分かるの?

がん検診ではないので、全ての悪性腫瘍を100%確実に発見できるわけではありません。

血液検査やその他の検査などで疑わしい所見がある場合、精密に検査して悪性腫瘍の有無を確かめますが、悪性腫瘍があっても、人間ドック(オプションなし)の検査項目上に異常が見られない場合見過ごされてしまう可能性もあります。

より確実に悪性腫瘍の有無を確認したいのであればしたいのであれば、オプションでPET検査や腫瘍マーカー、がん検診などを追加すると良いでしょう。

人間ドックと言えば、胃カメラ(内視鏡検査)と言うイメージがありますが、内視鏡検査は人間ドックの標準検査項目に含まれている施設と、オプションで追加する必要のある施設に別れます。希望される方は、受診する施設にご確認下さい。   

内視鏡について詳しく知りたい方はこちら↓

費用について

人間ドックは全身の一般的な検査の相場は約3万円〜4万円です。保険適用されませんので、全額自費診療となります。

気になる症状や、所見がある場合などには、この一般的な人間ドックのコースに加えてオプションで検査を追加することができます。(脳や心臓を精密に調べるオプションや、各部位のがんの有無について詳しく調べる検査があります。)

このオプションもそれぞれが1万円以上することが多く、オプション追加もするとかなり高額になってしまいます。

そのため受診をためらわれる方が多いのですが、自治体や健康保険組合によっては補助金が出ることがあります。

例えば東京都千代田区では、40歳以上で国民保険加入者(未納がないことが条件)を対象に、年に1回2万円の人間ドックの補助金を出す制度があります。

筆者の住む地方都市でも年齢等いくつかの条件を満たせば、人間ドックの費用のうち2分の1の額の補助金を受け取ることができるようで、多くの自治体で補助金制度を導入しているため、お住まいの自治体ではどうなのか一度調べてみてはいかがでしょうか。

また、生命保険に加入しておられる場合、商品によっては人間ドックの優待割引を受けられることがあります。ご契約中の保険会社に確認してみて下さい。

どれくらい時間がかかるのか?

人間ドックの所要時間は概ね2〜4時間程度です。所要時間に幅があるのは、実施施設の混み具合に影響を受けるためです。

人間の体の性質上、午前中に検査をした方が精密なデータを得ることができるため人間ドックは午前中に行う施設が多く、午前中に検査が集中してしまうと所要時間は長くなってしまう可能性があります。

また、オプションで検査を追加した場合はその分所要時間は長くなります。オプションの検査の多くは1つにつき15分から30分程度ですが、PET検査では薬剤注入後に待つ時間もあるので所要時間が長くなります。

検査項目が多い場合には、病院や近くのホテルに一泊できるコースを提供している施設もあります。コースについては利用される施設にお問い合わせ下さい。

家でも簡単に検査できる

土日祝日に人間ドックを行なっている施設は極めて少ないため、人間ドックを受けるにはほとんどの場合、平日に時間をとる必要があります。

人間ドックを受けたくても、平日に仕事は休めない、時間がない、という方は多いでしょう。

人間ドックを受けたくても、時間の都合で受けられない方にお薦めしたいのが【自宅でできる検査キット】です。

少量の尿と、数滴の血液を郵送するだけで、検査を受けることができます。

病院などで受ける人間ドックと比べると、検査項目は少なくなりますが、生活習慣病や各種がんリスクのチェックをすることができます。

最低限の検査のみ行うため、病院の人間ドックと比べ、費用はかなり安いです。しかも、待ち時間も必要なく、10分程度で検査終了します。お忙しい方にはお薦めです。

自分で病気を早期に自覚するのは難しい。

発熱や急激な痛みを症状を呈する疾患は別として、多くの病気はその初期に症状を自覚することはありません。

特に、悪性腫瘍(がん)の初期では無症状であることが多く、異変を感じ受診した時にはもう手遅れ…というケースは少なくありません。

悪性腫瘍は早期発見が非常に重要であるのに、自分では気付くことが難しいのです。

悪性腫瘍で命を落としたくなければ、こまめに検診を受ける他に方法はありません。

また、40代になるも胃がん、大腸がん、肝臓がん、肺がんの罹患数は、30代以下より3倍から4倍に跳ね上がり、女性では乳がんは40代から急激に罹患数が増えます。(※2)

40代からは悪性腫瘍をはじめとし、様々な病気のリスクが高まるため早期発見のためにも40歳を超えたら、年に一度人間ドックを受けることが望ましいのです。

まとめ

人間ドックの必要性を理解していても、費用や時間の問題から中々踏み切れない方も多いかと思います。

そんな方は、自宅でできる検査キットだけでも行ってみませんか?

人間ドックも、検査キットも費用がかかりますが、悪性腫瘍(がん)などの病気が進行し、入院や手術など治療が必要になれば、何倍、何十倍もの金額がかかってしまうことになります。

お金だけでなく、最悪の場合、命を落としてしまう可能性だってあります。

病気にできるだけ早く気づき、対処できるよう定期的な検査をしていきましょう。

この記事のポイント

  • 人間ドックは40歳を越えたら受けるべき。
  • 人間ドックの所要時間は平均4時間程度。
  • 費用は3〜4万円。自治体によっては補助金がある。
  • 自宅でできる、検査キットもある。

※1:厚生労働省 平成16年国民生活基礎調査の概況

※2:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター「最新がん統計'17」

参考ページ

公益社団法人 人間ドック学会

厚生労働省 平成22年国民生活基礎調査の概況

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