「相続税」「贈与税」についての違いをご存知でしょうか?

この2つの仕組みの違いを知らなければ、場合によっては税金の支払い額が大きく変わり損をしてしまうケースもあるのです。

この記事では相続税と贈与税の違いについて解説し、お得な税金の納め方を紹介していきます。

相続税と贈与税の違いとは?

相続税は、亡くなった方から財産を受け取った際にかかる税金のことです。

一方、贈与税とは年間一定額以上の財産を受け取った際にかかる税金を意味します。

そのため、もしあなたがこれから財産分与を考える場合には「相続」か「贈与」かどちらの方が税金をお得にできるかを知っておく必要があるでしょう。

以下でそれぞれの基礎知識について解説していきます。

相続税の基礎知識

相続税とは、亡くなった被相続人の遺産を相続、もしくは遺言で受け継いだ場合に遺産総額が一定額を越えた場合に申告しなければなりません。

具体的には基礎控除額の3,000万円に法定相続人ひとりにつき600万円を足した金額が基礎控除額となります。

法定相続人がひとりであれば3,600万円、5人であれば6,000万円が基礎控除額として計算されるのです。

この基礎控除額を越えた遺産を受け継ぐ場合でなければ相続税の申告は必要ありません。

また、相続税の適用される期間ですが被相続人が亡くなる3年前より譲り受けたものが課税対象となります。

なお、相続税の最高税率は55%となっています。

相続税の注意点

対象となるものは、不動産、金融財産をはじめ自動車や宝石などの貴金属と多岐に渡るため高額なものを譲る場合には注意が必要でしょう。

また、相続を放棄した場合でも保険金をもらった相続人に関しても相続税は適用されるため気を付けなければなりません。

他にも遺産を不動産として譲り受けた場合に、相続税が払えなければ借り入れや売却を検討しなければならないこともあるのです。

日々の生活では意識されにくいことでもあるため、相続の際にはきちんと確認しておきましょう。

贈与税の基礎知識

贈与税とは個人から財産をもらった際にかかる税金のことです。

贈与税の課税方法には「暦年課税」「相続時精算課税」の2つの方法があり、条件を満たすことで相続時清算課税を選択することができるのです。

暦年課税とは?

贈与税は、年間に110万円を越える財産をもらった場合に適用されます。

この110万円は基礎控除額であるため、実際にはもらった財産より110万円を差し引いた額に贈与税がかかるのです。

すなわち、1年間にもらった財産の合計が110万円以下であれば贈与税の申告は不要です。

そのため、早めに贈与を検討している場合には、非課税額を把握しておくことが望ましいでしょう。

相続時精算課税とは?

贈与者ごとに1年間に受けた財産の合計額から、2,500万円を特別控除した額に対して贈与税がかかる仕組みを「相続時精算課税」といいます。

例えば、祖父母の生命保険として4,000万円贈与された場合に、通常であれば50%の税率が適用されますが、この制度を活用すれば2,500万円が控除されるため40%の税率となるのです。

相続時精算課税を選択するケースでは、期限内に申告書を提出する必要があります。

特別贈与と一般贈与

贈与税では、直系尊属から20歳以上の者への特別贈与それ以外の一般贈与に分類されます。

直系尊属とは祖父母や父母などを意味します。

この直系尊属からの贈与の場合には、一般贈与と比べ税率が軽減していることが特徴です。

例えば、税率55%の場合の課税価格は、特別贈与であれば4,500万円超からですが、一般贈与の場合には、3,000万円超と1,500万円の価格差があるのです。

他にも、贈与される財産を住宅資金に充てたりすることで、非課税となるケースもあるのです。

そのため、祖父母や父母からの相続を検討する場合であれば、贈与税の仕組みをしっかりと抑えておくことをおすすめします。

贈与税の注意点

贈与税の課税対象となるものは、保険料を自分で負担していない損害保険や生命保険の保険金や著しく相場より低く見積もった財産、借金の免除、金融商品や不動産などが対象となります。

特に保険に関しては、負担をしていない場合に受け取ることを贈与とみなされるため、注意が必要です。

なお、被保険者が亡くなった際に、受け取った生命保険金の負担をしていた場合には相続税の対象となるため、知っておくとよいでしょう。

相続税と贈与税はどちらを選ぶのがお得か?

相続税と贈与税に関しては、受け取る財産によってかかる税率が変わります。

どちらも最高税率は55%と同水準であるため、財産の内容によって相続か贈与かを選択することが重要となるでしょう。

ただ、祖父母や父母から直系尊属での相続対策を考えるのであれば、まずは贈与税を検討すべきです。

以下で具体的なケースを用いて、相続税と贈与税の考え方を紹介します。

ケース紹介

2億円の財産を娘と息子に平等に分配したい場合(配偶者は死亡しており、法定相続は2人)を事例に相続と贈与税を比較していきます。

相続税の場合

2億円に対して法定相続人が2人の場合では基礎控除額の3,000万円に1,200万円、すなわち4,200万円を差し引いた1億5,800万円が課税対象額となります。

1人当たりの相続額は7,900万円で、この額に相続税率が適用されます。

5,000万円以上かつ1億円未満の相続税率は30%、控除額は700万円であるため(詳細は国税庁のホームページをご確認ください)、1人当たりの相続税は1,670万円となります。

贈与税の場合

贈与税の場合では、年間に2,500万円以上を贈与された場合には相続時精算課税の適用することが可能で、その場合には2,500万円を控除した残額に対して税率がかかります。

しかし、1人当たりの贈与額が1億円の場合には残額の7,500万円に対して、55%の税率が適用されるため、半分以上を税金として納めなければならないのです。

贈与額を住宅購入の資金に充てるなどすれば一部非課税にもなりますが、このように贈与される金額が多い場合には、金額を毎年分配して相続する方が節税効果が高いのです。

例えば、年間100万円を贈与しておけば、非課税の状態で贈与が可能です。

その後、相続税を適用した方が、大きい額に贈与税を適用するよりはお得になる場合が多いでしょう。

なお、相続税であれば同じ55%の税率が適用されるのは取得金額が6億円超となっています。

まとめ

・財産が大きい場合には相続税の方がお得

・贈与税では直系尊属や分割して贈与することにメリットがある

・財産の内容により、相続税と贈与税の仕組みを組み合わせることが大事

財産を受け取る、あるいは譲る場合には少しでもお得に節税したいはずです。

そのためには、相続税と贈与税の制度や仕組みを知っておかなければ損をしてしまうこともあります。

財産の内容や資産額に応じて、適切な納税方法を選び、配分を考えることが必要でしょう。

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