
米国でカンナビジオール(CBD)関連商品は人気があるため、日本でもCBDという言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。CBDを摂取してみたいけど、効果や安全性がわからないため二の足を踏んでいる方はいませんか?
CBDは不眠や不安の解消、痛みの緩和などさまざまな効果があると報告されている成分です。しかし、まだ明らかになっていないことが多く、現在わかっている効果よりも多くの効果があることが期待されています。
この記事では、CBDの効果や摂取方法、安全性、摂取に際しての注意点などをご紹介します。CBDの摂取を考えている方は是非参考にしてください。
CBDはどんな成分?
CBDは麻に含まれている成分です。麻と聞くと大麻を思い浮かべ、使用してはいけないものと考える方が多いでしょう。
麻に含まれている成分で、有害であると規定されて法律で使用が禁止されている成分は、テトラヒドロカンナビノール(THC)です。THCは精神作用性が強く、幻覚作用や記憶障害などを引き起こすと考えられています。
CBDは精神作用性が弱く、人体に深刻な副作用が現れる可能性が低いと考えられている成分で、法律で使用は禁止されていません。リラクゼーション効果以外にもさまざまな効果があると期待されているため、注目を集めている成分です。
CBDの安全性は?
米国でCBD関連商品が流行している理由のひとつに、CBDの安全性があります。現在まで、CBD関連商品を摂取して、他の多くの薬でみられるような深刻な副作用が現れたという報告はありません。
しかし、CBDの安全性を確証するにはまだデータが少なく、CBD関連商品を好きなだけ購入して摂取できる現状を危険だと指摘している人もいます。CBD関連商品を摂取する際には、細心の注意を払うようにしましょう。
CBD関連商品は、THCの含有量が抑えられています。しかし、商品の中には相当量のTHCが含まれている商品もあるため、注意してください。
CBDの効果は?
スポーツ選手がCBDを摂取したら痛みが解消された、不眠症の人がCBDのアロマオイルを使ったら不眠症が解消された、などCBDの効果と考えられる報告はたくさんあります。しかし、まだこれらの効果がCBDと関係しているのかはわかっていません。
CBDには、さまざまな効果があると期待されていますが、まだ研究が進んでいる段階であり、CBDの効果で明らかになっているものはまだほとんどありません。
CBDの効果として認められているものに、難治性のてんかん治療薬があります。米国FDA(アメリカ食品医薬品局)は、難治性てんかんの治療薬としてCBDが配合されている薬を承認しています。
日本では、まだCBDをてんかん治療薬として承認しておらず、てんかん協会が厚生労働大臣にCBD医薬品承認に関する要望書を提出している段階です。
今後明らかになることが期待されているCBDの効果は?
現在、CBDに関してさまざまな研究が進んでいます。今後の研究で明らかになることが期待されている、CBDの使用で改善が期待されている代表的な疾患をご紹介します。
不眠症・不安障害・痛み・炎症・偏頭痛・喘息・心的外傷後ストレス障害(PTSD)・双極性障害・統合失調症・アトピー性皮膚炎・摂食障害・高血圧・緑内障・パーキンソン病・後天性免疫不全症候群(AIDS)・筋萎縮側索硬化症(ALS)・がん・心疾患・脳血管疾患・骨粗鬆症など
ご紹介した以外にも数多くの疾患に有効であるという報告がありますが、限られた報告からCBDの効果を判断することは危険です。今後、さらなる研究が行われることが望まれています。
CBDの摂取方法は?
ご紹介したように、CBD関連商品は安全性が高く、まだ明らかとはなっていませんがさまざまな疾患への効果が期待されているため、米国では多くの人が利用しています。
摂取方法は複数ありますが、それぞれメリットとデメリットがあるため、自分に合った方法で摂取しましょう。
主な摂取方法
蒸気摂取:電子タバコ(VAPE)のようにCBDリキッドなどを蒸気として摂取する方法です。肺の毛細血管から吸収されるため、吸収率は他の摂取方法に比べると高いです。
経口摂取:CBDが含まれているグミやコーヒー、ジュースなどを飲むことで摂取する方法です。 吸収率は高くありませんが、最も気軽に利用されています。
経皮吸収:CBDが含まれているジェルやローションを皮膚に塗って、皮膚から吸収する方法です。気になる部位に直接塗ることができます。
舌下摂取:CBD含まれているオイルなどを経口摂取と同じように口から摂取する方法ですが、舌の裏側に数分留めておいて、そのあとに飲み込む方法で、毛細血管からCBDが吸収されるため、経口摂取よりも吸収率が高いです。
目的に応じた方法で摂取しましょう
蒸気摂取は吸収率が高いため少量でも数分後には効果を現れてくるといわれています。しかし、他の摂取方法に比べると短時間で効果がなくなります。
経口摂取は、吸収率は低く効果が現れるまでに数時間かかりますが、効果の持続時間が長いです。
そのため、即効性を求める場合はリキッドを使った蒸気摂取を選び、効果は弱くても長時間持続して欲しい場合は経口摂取を選ぶと良いでしょう。
日本での入手方法は?
日本でも、通信販売で多くのCBD関連商品が購入できます。しかし、ドラッグストアやAmazonでは取り扱っていません。Amazonでは、HEMPオイルに混ざって販売されていることもありますが、危険なので購入しないようにしましょう。
CBD関連商品をすぐに入手したい方は、大手ディスカウントストア、ドン・キホーテでCBDリキッドやオイルが販売されているので、利用してみてはいかがでしょうか。
以前、ファミリーマートでCBDドリンクが発売されるという噂がありましたが、2020年2月現在までファミリーマートでCBDドリンクは発売されていません。
CBD摂取の際に注意して欲しいこと
CBDについてはまだわかっていないことが多いです。そのため、CBDを摂取する際は、細心の注意を払うようにしてください。
CBDに過度な期待をしない方が良い
CBDの効果に過度の期待をしない方が良いでしょう。将来、CBDの研究が進んで、さまざまな効果が明らかになる可能性はあります。しかし、現状でははっきりとわかっている効果はほとんどありません。
病気を患ったとき、現在行われている標準治療を受けずに、CBDを利用して病気を治そうとすることはリスクが高すぎます。
CBD関連商品の個人輸入は注意した方が良い
CBD関連商品は個人輸入で入手することもできますが、相当量のTHCが含まれている商品や多くの不純物が含まれている商品もあります。
販売許可を得ていない会社や個人から購入することは、控えた方が良いでしょう。
常用薬がある方は医師に相談しましょう
CBD商品単独で摂取した場合は問題がなくても、薬と併用した場合には問題が生じる可能性は否定できません。そのため、常用薬がある方は医師に相談してから摂取するようにしましょう。
また、妊娠中や授乳中の女性は摂取を控えた方が良いでしょう。CBDが胎児に及ぼす影響は、まだよくわかっていません。問題ないかもしれませんが、安全だと確証が得られるまでは摂取しないに越したことはありません。
まとめ
・CBDは麻から抽出され、さまざまな効果があると期待されている成分のため注目が集まっています
・CBDについてわかっていないことが多いので、摂取の際は細心の注意を払いましょう
・CBDの摂取方法は目的に合った方法を選びましょう
・日本では、CBD関連商品は通信販売や大手ディスカウントストアで購入できます
・CBDの効果に過度な期待はせず、常用薬がある場合は医師に相談してから摂取しましょう