病気やケガなど万一のとき安心の生命保険や医療保険。年齢とともに健康面ではの不安は大きくなるため、最近は高齢者でも加入できる商品が登場して注目が集まっています。

しかし、「生命保険と医療保険の違いはよく分からないけど『とりあえず入っている』」といった人も多いのではないでしょうか。保険は種類によってカバーできる対象や範囲などが異なるため、違いをしっかり知っておくことが大切です。

この記事では、生命保険と医療保険の違い、選ぶときのポイントをまとめてご紹介します。

生命保険とは?

はじめに、生命保険とはどういった目的で加入するのか、保険金が支払われる対象は何かについて見ていきます。

生命保険はどんなときに役に立つ?

生命保険は、自分が万一死亡してしまったとき、遺された家族が生計に困らないようにお金を遺せるものです。また、葬儀やお墓の費用を遺族がカバーするためにも加入されています。

たとえば、夫婦と子の家族の場合、夫が働いて家計を支えていたとき、夫が亡くなると途端に生計が苦しくなります。それまでの貯金や遺族年金があっても母親は働きながら子育てや教育を続けなければなりません。

急病や交通事故など、備えも十分でないまま突然一家の大黒柱が亡くなっても、遺された家族がまとまったお金をもとに、安心して暮すため生命保険があるのです。

保険金が支払われるケースは?

生命保険は、加入していた人が亡くなったとき、遺族に保険金が支払われます。一般的には「夫の場合は妻に」ですが、夫婦なら配偶者、親子なら子など、受取人を指定できます

このように、たとえ本人が加入して保険金を払い続けていた場合でも、本人以外の遺族が受け取って生活資金に充てられるのが生命保険の特徴といえます。

生命保険は3種類

色々な種類があると思われがちな生命保険ですが、大きく分けると次の3種類しかありません。違いを見ておきましょう。

●定期保険
よく「10年定期」「15年定期」といって販売されている商品です。

・契約期間
一定期間のみ契約・保障が受けられます。10年、15年など年単位のもの、60歳までなど年齢単位のものがあります。

・保険料
かけ捨てが一般的で、比較的割安。

・ポイント
契約・保障期間の間に本人が亡くなると、家族に保険金が支払われます。期間中に何事もなく満期を迎えた場合は、解約返戻金はない商品がほとんど。遺された家族の生活費を確保するためによく利用されています。

●終身保険
一度加入すると、保障が一生涯続く商品です。

・契約期間
定期保険のように期間の定めはありません。何歳でも本人が亡くなると必ず保険金を受け取れます。

・保険料
保険料の金額は契約時のまま。解約返戻金もあり。そのぶん、定期保険より保険料は割高です。

・ポイント
かけ捨てではなく積み立てタイプの生命保険です。解約時に支払った保険料の総額を上回る保険金を受け取れる場合もあります。まとまったお金を遺せるので、家族の生活資金のほか葬儀代や子どもの教育資金など、幅広い目的で利用されています。

●養老保険
死亡保障も付いている生存保険で、定期保険と終身保険の両方の特徴を持っています。

・契約期間
定期保険と同じように加入・保障期間があります。

・保険料
割高な商品がほとんど。解約返戻金も支払った総額を下回る場合が多いのがデメリットです。

・ポイント
満期を迎えたときは満期保険金、保障期間中に本人が亡くなったときは死亡保険金が支払われます。貯蓄と、万一のときに家族にお金を遺したいといったどちらの目的にも使えるのがメリット。

生命保険選びの注意点

生命保険を選ぶ時に大切なことは、「万一のときどのくらいのお金が必要なのか」をイメージすることです。

一家の大黒柱が生命保険に加入するなら、もし本人の死後、家族の生活資金や子どもの教育資金にどのくらいかかるのか計算しておく必要があります。

たとえば、まだ小さな子どもがいる若い夫婦と、貯蓄もあって子どもも独立している夫婦とでは、必要な金額も違うでしょう。そして、保険金額によって保険料も変わるため、生命保険のために家計を圧迫する事態になりかねません。

ただし、貯蓄目的の生命保険は法改正で以前より貯蓄に向かないものになっています。その代わり、所得保障保険など新たなタイプの商品が登場するようになりました。

保険金額と保険料のバランスを考えながら、どういった目的で、いくらぐらい家族に保障をしておきたいか、考えることが大切です。

医療保険とは?

医療保険とは、病気やケガで入院や通院、手術が必要になったとき、受けた治療に応じて保険金が支払われる商品です。

●どんなときに役に立つ?
・病気で入院した
・ケガで通院した
・病気やケガの治療で手術を受けた
このように、医療機関でまとまった治療代がかかったときに保険金でカバーできます。

●保険金が支払われるケースは?
どんな病気やケガでも支払われるわけではありません。医療保険ごとに保険金が支払われる病気やケガが異なるほか、「入院給付金だけで、通院や手術給付金はない」など、給付金にも違いがあります。

もっと手厚い保障を受けたい場合は、本契約と別に特約を付けなければならない医療保険も少なくありません。長期入院や先進医療給付金、がんや急性心筋梗塞、脳卒中といった三大疾病の保障を増やしたいといったときが主なケースです。

医療保険選びの注意点

かつて医療保険というと「入院日額●●円」など、入院給付金がクローズアップされていました。加入する側も長期入院をイメージして、その間の治療代や生活費をカバーするため選ぶケースが一般的だったからです。

しかし、近年、医療の発展によって通院で治療・手術ができるケースが増えてきたり、国として入院日数を短期化する方向が続いているため、実際に入院期間が年々少なくなっているのが実情です。

厚生労働省のデータによると、退院患者の平均在院日数(=入院日数)は、1990年の44.9日をピークに年々短縮傾向が続いていて、2017年には29.3日まで下がっていることからも明らかといえます。

出所:厚生労働省「平成29年(2017)患者調査の概況

入院より通院を重視しよう

かつて主流だった医療保険の中には、入院給付金だけで通院給付金のない商品も多く加入者がいます。また、もしまとまった治療代が必要になっても「高額療養費制度」という国の制度のおかげで、入院や手術にかかった費用の大半を退院後に受け取れるしくみも広く知られるようになりました。そのため、現在では医療保険の必要性も大きく変化してきたといえるでしょう。

実際、最近では入院よりも通院や手術にスポットを当てたものや、先進医療や女性特有の病気に特化したもの、入院やケガの治療で働けなかった期間の所得を補償するものなど、医療保険の多様化が進んでいます。

まとめ

・生命保険は加入者の死後、家族に保険金が支払われる
・生命保険は定期保険・終身保険・養老保険の3種類
・医療保険は病気やケガの入院・通院・手術といった費用をカバーできる
・医療保険の支払いは加入者本人
・入院日数の短期化と通院の重要度が増しているため慎重に比較検討を

生命保険と医療保険では、支払われるケースも支払われる相手も大きな違いがあります。また、加入する目的も本人や家族の希望や状況によって異なります。最近は、貯蓄型の生命保険よりも、かけ捨て型の医療保険が手軽で人気が高く、市場も伸びています。

どういった目的で保険に入りたいのか、家族と話し合いながら気になる保険商品を比較してみましょう。

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