冬虫夏草

様々な生薬を組み合わせることで、体の不調や悩みを解決してくれる漢方。

「冷え」や「疲れ」への対策として、皆さんも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。

そんな何千年もの歴史を持つ漢方の中でも人気を誇る生薬の一つに
冬虫夏草” という名前のキノコがあります。

虫の生命力で育つ冬虫夏草は、古くより中国で不老不死、強精強壮の秘薬として愛されてきました。近年、そんなスーパーキノコが持つ効果が明らかとなり、再び注目を集めています。

免疫力アップからがんの進行を抑える効果まで、健康への嬉しい効果も豊富な冬虫夏草。

健康食品としても人気な冬虫夏草の魅力と、その適切な選び方についてご紹介していきます。

自然治癒力を高める冬虫夏草

冬虫夏草とは

冬虫夏草とは、昆虫の幼虫やサナギに寄生し、虫を栄養素として成長するキノコの一種です。

冬の間に昆虫に寄生するとその体内で菌糸を増やし、菌糸の集合体である菌核を形成します。

夏になると虫の殻を破り棒状の子実態が地中から生えてくるため、「冬の虫が草に変わった」と信じられたことで ”冬虫夏草” と名付けられました。

中国では古来より強精強壮・不老長寿の妙薬として珍重されており、現在でも高値で取引される希少価値の高い食材です。

冬虫夏草がもつ驚くべき効果

冬虫夏草には、高い抗ウイルス作用免疫能力を高める成分が含まれており、
中国では古くから薬膳料理の食材や漢方の生薬として好まれてきました。

中国の医学書『中薬現代研究と臨床応用』では呼吸器疾患等の治療、免疫力の強化、耳鳴りの改善等に奏功したという臨床結果が発表され、冬虫夏草による自己免疫力の向上の可能性が示唆されています。

また抗酸化作用や転移阻害効果といったがんへの効果に関する臨床報告もあります。

インフルエンザやウイルス性胃腸炎、肺炎といった病気への効果はもちろん、
がん対策の新たな手立てとしても注目されています。

コウモリガ冬虫夏草とサナギタケ冬虫夏草

しかしその高い薬効と希少性から中国本土で乱獲が相次いだことが原因となって、コウモリガ冬虫夏草の数は激減。現在も絶滅の危機に晒されています。

そこで近年最も注目されているのが、コウモリガ冬虫夏草と同属種のサナギタケ冬虫夏草です。

チベットやネパールなどの寒冷高地に生息するコウモリ蛾から発生するコウモリガ冬虫夏草に対して、サナギタケ冬虫夏草は、チョウ目の幼虫や蛹から発生します。

そのため培地を蚕の蛹でも代用できる特性を持ち、
多くの機関がサナギタケ冬虫夏草の開発・研究を進めてきました。

《サナギタケ冬虫夏草に含まれる有効成分》

サナギタケ冬虫夏草の中には抗腫瘍作用を示すコルジセピンを始め、
血管拡張作用を有するとされるDマンニトール
免疫賦活作用があるβグルカン
抗酸化物質などの生理活性成分が豊富に含まれており、コウモリガ冬虫夏草の絶滅が危ぶまれる中、新たな冬虫夏草の一種として期待されています。

絶滅の危機に瀕する現在

乱獲が続く中国市場

平成19年より中国から日本への輸出はストップしたため、国内の店頭から天然冬虫夏草の姿は消えてしまいました。冬虫夏草は現在でも貴重な素材であり、1gの価格が4000円から5000円にも上るといわれています。  

同年には四川省の村で冬虫夏草の採集をめぐったチベット族同士の大規模な衝突も起きており、死亡者が6人、ケガ人が100人以上となる大惨事となりました。

しかしその後も乱獲は続き、冬虫夏草の発生量は激減。

さらに中国国内の好景気の波を受けたニーズの拡大で冬虫夏草の価値は下がることがなく、時として金よりも高価値なものとなって取引されるケースもあります。

国内での安全生産に成功

そんな中、国内メーカーが、世界に先駆けて国産の無菌蚕を培地にしたサナギタケ冬虫夏草の安定生産に成功。

有効成分である「コルジセピン」の含有量が従来市販されていた冬虫夏草に比べて約 6.2 倍という高品質な冬虫夏草を、国内で安定生産出来るようになりました。

この冬虫夏草は国立大学と民間企業との産学連携により研究が進められたもので、その研究成果は国際腫瘍学学術誌 『 International Journal of Oncology 』にも論文掲載され、多くの医療関係者から高い評価を受けています。

コルジセピン高含有のサナギタケ

コルジセピンとは

コルジセピンは近年の研究で抗腫瘍抗炎症等の作用があるとして注目されている物質です。

冬虫夏草の中でもサナギタケ( Cordyceps militaris 、コルジセプス・ミリタリス)という種類が、自然治癒力を高めるコルジセピンを多く含んでいます。

コルジセピン高含有のサナギタケを選には

しかしながら注意したいのは、同じサナギタケであっても培養状態によってコルジセピンの含有量が変化する点です。

同じサナギタケ虫草菌でもタンクで培養した菌糸体からは、コルジセピンはほとんど検出されません。反対に昆虫生体培養で生産した菌糸体からは、コルジセピンが多く生成されることがわかっています。  

したがって冬虫夏草入りの健康食品と謳われていても、培地が昆虫ではなく穀物のものや、有効成分の含有量が低いものでは意味がありません。

冬虫夏草を選ぶ際には、このコルジセピンの含有量が多く、産地と培地の種類が明確なものを選びましょう。

まとめ

  • 冬虫夏草の効果=呼吸器疾患等の治療、免疫力の強化、耳鳴りの改善、がんへの効果
  • コウモリガ冬虫夏草=寒冷高地に生息するコウモリ蛾から発生
  • サナギタケ冬虫夏草=チョウ目の幼虫や蛹から発生、コルジセピンを含む
  • 従来の約 6.2 倍の「コルジセピン」を含んだ冬虫夏草の国内での安全生産に成功
  • 【コルジセピンの含有量】タンクで培養したもの<昆虫生体培養で生産したもの

体に嬉しい効果も多く、健康食品として是非とも取り入れたい冬虫夏草。

しかし輸入された冬虫夏草の中には素材・品質ともに不明なものがあり、高額で取引されるために別の原材料を入れて、目方をごまかしている商品があることもわかっています。

たとえ冬虫夏草配合と書かれた商品であっても、実際には冬虫夏草が微量しか含まれない商品や、特融成分のコルジセピンが含まれないものもあるため、可能な限り内容を確認することが重要です。

冬虫夏草の恩恵を受けるためにも、今回ご紹介した内容を是非ご参考になさってくださいね。

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